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「ギャァァァァァァァッッ!!」バサッ
俺がスコップで振り被ると
女は傘を落とし
地面に尻餅をついた

「ヒャハッ!!なんだなんだ!!」
「最初からこうすりゃよかったんだ!!」

女の上に立ち
スコップを振り下ろした
「い、いや…ああ」
「い”ゃァ”ァ”ァァァァァァァ!!!!」







ザクッ

スコップは女の頭上に刺さった

「…俺は」


『お前も、俺も、道具じゃない。』

『人間だ』





グ…

殺したくて殺したくて殺したくて殺したくて


こいつを殺したら、
少しはこのイライラが収まるだろう
そうしたら、俺は最高に気分が良くなる



こいつの絶望して
痛みに歪んだ顔を想像するだけで
楽しみでしょうがねぇ

ざまぁみろ






殺したい、殺したい殺したい

殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺ス殺ス殺ス殺ス









___________無意味






こいつらを殺しても、あいつは生き返らない


俺は、あいつと出会って

少しは考えるようになった

あいつと出会うまでは、
頭を使う事は大嫌いだった





けど何故か
あいつの言葉は
胸の奥にストンと落ち着いて
このゾワゾワが収まった



今、言われた事
そのまま飲み込んで、我慢すりゃ済む話だ
でもそれはあいつを
否定する事になるんじゃないかって考えた


全部が、悔しくてたまらなかった
ならせめて


「俺は」









「化け物じゃない」
「お前らと同じ、人間だ」


立ち上がる
この女は腰が抜けたのか
目を見開いて薄っぺらい命乞いをしてくる以外
何も抵抗してこなかった


ドスッ

「がはッ」



このババアがあいつにしたように踏みつけたが

全く気分は良くならなかった

むしろもっと不快感が押し寄せた

「……人間、なんだよ」ギリ


大人はいつも
俺を物みたいに扱う

「なぁ…ッ」








「__________1つ聞く」




「お前らは、最初からこうだったのか?」







女は固まって
恐怖で何も発しない口を
パクパク動かしてやがった

どうでもいい




もうこいつは何も言わない




「…今からこいつを埋める」
「でもそれは、道具としてじゃねぇ」

「俺が、埋めたいから埋める」



「………」

「見てんじゃねぇよ」

「生かされてるだけ感謝しろ」



そう言うと、女はみっともなく
ガクブル震えながら
這いずり回ってそこを去った



「ッ…!!」ダッ




ザァァ


「………」

死体を見つめる

「名前、聞かなかったな」



それ以上は
何も、出てこなかった

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作者名:肩書きの作者 | 作成日時:2021年9月15日 13時

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