魔法科高校の劣等生 ページ2
.
「何故、カリマ様が二科生なのですか!?」
第一高校の校門から少し離れた場所で、8枚花弁のエンブレムがある制服を着た男女合わせて7人が、エンブレムのない制服を着た1人の青年に詰め寄っていた。
「当たり前だろ。俺は魔法が使えないんだから」
詰め寄られてる青年は、胸の前で腕を組んでいて困ったような表情をして溜め息を吐く。
7人の男女は、青年のその言葉に苦虫を噛み潰したような表情で無言になる。
「そう暗い顔するな。俺からしたらハンデのようなものだ。お前達は気にしなくていい」
青年がそう言って微笑すれば、7人の男女はまだ心配そうな表情ではあるが「はい」と返事をし、先に校舎の中へ入っていった。
.
「隣、いいか?」
優等生の妹、深雪を見送った達也が周りのひそひそ話を気にせずベンチに座って時間を潰していると、エンブレムのない制服を着た1人の青年が達也に声をかけてきた。
「(俺と同じ二科生か...)ああ、構わない」
「助かる。入学式まで暇だからな。立ちっぱなしは暇すぎる」
達也は自分が座っている位置から少しずれると、青年は達也と少し離れた隣に腰を下ろす。
(この髪型と独特の雰囲気...確かカリマメル=サタン・アウディオという名前の魔法が使えなかった...)
「魔法が使えなかった生徒」
「!!」
達也の探るような視線に気付いたのか、青年...カリマメル=サタン・アウディオは表情を変えずに達也の思考を読んだかのように言い放った。
「珍しいだろ?俺みたいな生徒は。司波 達也」
「......ああ、初めて見た。カリマメル=サタン・アウディオで間違いないか」
「カリマでいい。なるべく争いたくないしな」
「なら、俺のことは達也で構わない」
差し出された左手を、達也は左手で掴みカリマと握手をした。
.
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ