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真っ暗な部屋をフラフラしながら進み、リビングの電気をつける。
パッと照明がつけば、暗さに順応しつつあった目にとっては強い刺激で。
「まぶちぃなあ」
酔っている私は1人で呟いた。
すると、お邪魔しますと落ち着いた声が聞こえてきて。
次第に足音が近くなる。
「ほら、父さんと母さんだよ！！ちゃんと挨拶して！」
「今日ね、ほくと初めてお酒飲んだんだよー！！
久しぶりにこんな酔っ払っちゃって、送ってもらっちゃったよぉ〜、
こんな娘でごめんねぇ〜！」
いつも今日の出来事を写真に向かって話しているけれど、
声のボリューム調整も上手くできず、
ただ微笑む父と母にひたすら叫びながら話しかけた。
『えっと、、、これは、、』
「……察しが悪いなぁ〜。
2人ともここにいるでしょ？！」
そんなことを言いながら、心の中では分かってるんだ。
ちゃんと口に出さないといけないってことも。
「……もう、、、、
父さんと母さんは、、、いないんだ。」
「2人とも、、死んじゃった。」
久しぶりに死という言葉を口にすれば、本当に2人ともこのにはいないんだなと改めて意識してしまう。
『ごめん、俺知らなくって、、、』
言葉に詰まるほくを見て、
気まずい、どう接したらいいんだろう、
って思ってるんだろうなと、なんとなくだけど感じた。
今までの人達だってそうだった。
大学の友達だって、同じ会社の同期、同僚だってそうだったから。
みんな腫れ物を触るみたいにびくびくするんだ。
『寂しかったよね。辛かったね。』
……でもほくは違った。
慈悲で満ちた表情で私を見つめ、
そっと近づきながら頭を撫でた。
私の知っているほくの手よりずっと大きくて、ゴツゴツしているのに柔らかい。
そんな感触だった。
彼から私に歩み寄ってくれた。
「……20歳の誕生日だったの。」
気づけば"あの時"のことを話そうとしていた。
これまでちゃんとあの日のことを誰かに話したことは無い。
口に出すのも怖かったから。
自分だって本当だと受け入れたくなかったから。
…でも、ほくなら、話してもいいかもと思えた。
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もっちもちさくら(プロフ) - 優希さん» コメントありがとうございます！模索していた作品ですが楽しんでいただけて幸せです😭まだ色々と書きたいこともあるので、是非とも番外編を楽しみにしていただければと思います！！ (2022年7月21日 17時) (
レス) id: 4baa1664b1 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 完結おめでとうございます！好きな作品だったので終わってしまうのが凄く寂しいです😢また番外編等でお会いできたら嬉しいです🥺 (2022年7月21日 17時) (レス) @page50 id: e49244e76b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もっちもちさくら | 作成日時：2021年10月9日 11時
