ヴィランと塩対応マッチョ

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you side


健「1本頂戴？」

可愛くおねだりしてくるのは中島健人。


「やだ。 てか湊に聞いたの？」

健「うん。心配そうな顔してたからちゃんとケアしなよ」

「分かってる」




健「ひーちゃんからある程度聞いたよ」

「ひーちゃんその場にいないのに？」

健「え？」

「ひーちゃんって健人の親友のひーちゃんじゃないの？」

健「うん、そのひーちゃんだけど？ 」

「女の子じゃないの？」


健「ぶははっww 俺、ひーちゃんの名前言ったことない？」

「多分…」


健「ひーちゃんって、岩本照マンの事だけどw」



おい、嘘だろ…。
昔からひーちゃん、ひーちゃんて健人が楽しそうに
話してるひーちゃんとは女の子の親友かと思ってた。


いや、確かに子供達"ひーくん先生"言ってるわ…



「…………」

健「ひーちゃんを守る為の演技でしょ？さすがヴィラン」

小っ恥ずかしくて、素直になれないのも見抜かれる。

昔から今でもずっと味方でいてくれる大事な人。





彼を守るというより、彼のアイドル生命を守っただけ。




アイドルとの恋愛がどれだけ大変で
どれだけの覚悟がいるか
自分がよく分かってる。


だからこそ、助けなきゃと思っての行動。





健「それにしても紀奈さんって 女優だね〜。
その場にいた湊以外みんな信じてたじゃんw」


「もったいないよね。 演技上手いのに性格に問題がありすぎる」


健「ひーちゃんもそろそろ目冷まさないと行けないね」


「え？何する気？苦笑」


健「秘密♡ 俺の大事な人をヴィランにさせたお仕置」

「怖っ 。 彼もある意味被害者なんだから程々にね」

健「お、役抜けてきた？」

顔を凝視される。

健「んー。完全には抜けてないね。
ま、今日中に抜けるようにもう手は回してるから安心して」


撮影戻ると言って帰ろうとする健人をとめる。


「健人、ありがとう」

健「大事な人が困ってたら助けるのは当たり前の事でしょ。Aの為なら俺は手段を選ばないよ」


仕事モードに戻った健人は
sexy goodbye！ とウィンクカマして消えた。






楽屋に戻るともっちゃんが片付けをしてた。

「え？撮影は？」

も「Aのシーンは明日一気に撮るって」

「いいの？」


も「監督がいいって言ってるからいいのよ」


役が抜けきれぬまま、今のドラマの役は到底できないと
思ってたからホッとした。





もっちゃんに家の前に送って貰いエントランスに行くと


渡「A」

「翔太…」

渡「おかえり」

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