獣人な歌い手さん【男主】

十九匹 ページ20

そ「この焼酎で飲み比べしようぜ？」
『は？マジで？』

明らかに度の高い焼酎を掲げてそらるが俺に言ってくる。体調が悪くなるリスクってものを考えないのかな？弱くはないけど、強くもないからなあ。

『潰れたら明日に響くじゃん。』
そ「明日なんもないし。」

どうしても飲み比べがしたいらしいそらるは全然折れないし、コップを二つ持って焼酎を注ぎ始めた。俺いいとは言ってないのに、止めようとする間も焼酎はコトコト、と音を立ててコップになみなみと注がれていく。仕方なく椅子に座ると目の前に俺の分、と言うようにコップにたくさん入った焼酎が置かれる。隣を見ると焼酎がたくさん入ったコップを手に持ってる。

『二日酔いになっても知らないよ？』
そ「二日酔いになるまでAも引きずるから。」

何の意地か知らないけど、どうしても飲み比べがしたいらしい。そこまで酒好きじゃないって言ってなかったっけ？

天「ねえ、何してんのー？」
そ「飲み比べ。」
ま「そらるさんとAが？」

まふはそれを聞いてキャハハ、と女子みたいな声で笑い始めた。まふを見てるとそらるが酒を煽り始めたから俺も焼酎に口をつける。普段飲まない度の高い酒にむせ返りそうになりながらも喉に通す。

やっと、コップの一杯を飲み終えてそらるの方を見ると同じぐらいに飲み終えてた。

そ「あ、言い忘れてたけど負けた方が明日罰ゲームな。」
『はあ？』

聞いてない話にキレそうになりながらも俺は負けるものかと意気込んだ。

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