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◇
入学式が終わり、最初の授業で自己紹介なども軽くした後。
下校の時間に事件が起きた。
zm｢A、一緒に帰ろ…もちろん二人きりで｣
もちろん新手の命令の一種で、私に拒否権はない。
ゾムの提案に一瞬絶句した。
実は登校時に天乃と話していた雑談の中で、もうすでに天乃と一緒に帰る約束を取り付けてしまっていたのだ。
…でも、ここは久しぶりに再開した幼馴染を取るべきだろうと判断して、申し訳ないが天乃との約束を断りに行く。
rbr｢嫌やけど｣
｢当然のように断られても困るんやけど｣
天乃は不機嫌そうに、隣のゾムを見つめながらそう言った。
そんな天乃の態度が気に食わなかったのかキレ始めるゾムと元から少しピリピリしていた天乃。
目が合った瞬間ポ〇モンバトルとはこの事を言うのか。
zm｢Aが言ってんねんから諦めろや！｣
rbr｢どうせお前が言わせたんやろが！｣
またもや始まった二人の喧嘩をBGMに思考を巡らせる。
三人で仲良く帰るのはまず論外、少なくとも現段階では不可能だろう。
となればゾムよりも接しやすい天乃をなんとか宥めて…
rbr｢お前【自主規制】くせに舐めとんちゃうぞ！｣
zm｢あ"ぁ？！｣
……いや、今の天乃に話しかけるのこそ愚策かもしれない。
5分前まで賑やかだったはずの教室は、別の意味で賑やかな地獄の空間へと化してしまった。
_
話し合いの結果、一人で帰ることにした。
言い方を変えると、二人の喧嘩がヒートアップしている隙にこっそり教室から抜け出してきた。
静かな廊下に自分の足音だけがこだまする。
まだ慣れていない校舎をキョロキョロしながら歩くのは、さながら未知の洞窟を探検している気分。
先程のことなんか完全に忘れて下駄箱の新しい位置を再確認していると、後ろから誰かに声をかけられた。
?｢あれ、Aちゃんや｣
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作者名：8bit x他1人 | 作成日時：2022年4月15日 17時
