片桐兄妹【今日から俺は】 (ページ5)

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相良side

他校のヤツらシメて開久に帰るとAが本を読んでいた

…んでこんな時間にいんだ？

今は一時半

この時間は学校にいるはずだろ？

…いや、今日は午前中授業だって言ってたなぁ…

リュックってことは、一回家に帰ってんのか

A｢あ！
猛くん！｣

ソファーから飛び降りたAは一目散に俺に駆け寄ってきた

相良｢よぉ、A
来てたんだなぁ
何読んでんだ？｣

A｢窓ぎわのトットちゃん！｣

あぁ、なんか今流行ってんだっけか？

A｢あ！
猛くん怪我してる！｣

そう言って、俺の口の端を指さした

相良｢あぁ、こんくれぇ大した事ねぇよ｣

A｢ちょっと待ってて！｣

Aはバーッとまたソファーの方に走っていくとゴソゴソとリュックの中を探りだした

A｢あった！
猛くん！ここ座って！｣

俺の定位置のソファーをぽふぽふと叩くもんだから笑いそうになるのをこらえて大人しくすわる

相良｢ﾑｸﾞｯ｣

両手で頬を挟まれて無理やり横を向かされる

正直怪我よりいてぇよ

首折れてねぇか？

そんな俺をお構い無しなAは、ペリペリと絆創膏を剥がした

A｢はい！出来たよ！｣

ペタッと俺の口の端に貼られた絆創膏

相良｢ははっ
あんがとよA｣

A｢えへへ
どういたしまして！｣

可愛い笑顔をするAの頭をわしゃわしゃっと撫でたら怒られた

Aには何をされても怒れねぇ

さっきみてぇに無理やり顔を動かされるなんざ、他のやつなら今頃半殺しだ

手当だって別にいらねぇし余計なお世話だと思ってたけど、こいつの手当は大人しく受けてる

それがまた上手いんだよなぁ～

まぁ、兄貴があんななら手当も上手くなるわな

A｢猛くん！
お兄ちゃん帰ってくるまであやとりしよ！｣

相良｢仕方ねぇなぁ～
この相良様が相手になってやんよ｣

狂犬相良がガキとあやとりしてるなんて誰が信じるよ

なのにこうして二人あやとりして、Aの相手をしてやってる俺も大概こいつによえーよな