片桐兄妹【今日から俺は】 (ページ32)

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片桐｢何言ってんだ、お前｣

そろそろ高校入試時期

Aも高校のことを考えているのだろうかと思い始めた頃

いきなり一人暮らしをすると言い出した

A｢あの街に戻って一人で暮らす｣

相良｢お前正気かよ
ここに来るって言ったのお前じゃねぇか｣

片桐｢なにか不満でもあるのか｣

A｢別に
気まぐれ｣

無関心そうにそういったA

片桐｢高校は｣

A｢これから決める｣

片桐｢家は｣

A｢ここ｣

そう言って出されたアパートの図形

セキュリティもまぁまぁ、広さもまぁまぁ

悪くは無いし、家賃も高くはない

片桐｢ほんとにここを出るのか｣

A｢そうだって言ってんじゃん｣

相良｢…まぁ、いいんじゃねぇか？
あっちにはあいつらもいるし、いい経験だろ？｣

片桐｢…そうだな｣

A｢話はそれだけ｣

久々に話があると言われたかと思えば、それで終わりだ

相良｢俺泣いていいか？｣

片桐｢泣きたいのはこっちだ、ばかちんが｣

Aがこの家を出る

それだけで泣きそうだ

毎日顔を合わせられない

泣くぞそろそろ

片桐｢でもまぁ…初めて自分でした決断だもんな…｣

相良｢…だな｣

片桐｢Aも実はあの街好きだったのか？｣

相良｢あんな治安の悪い街が？｣

片桐｢…それ言うな
死ぬほど心配になる｣

相良｢でもOK出しちまったな｣

片桐｢…くそ｣

相良｢…泣きそう｣

片桐｢ただでさえ泣きそうなのにな…｣

その日の夜は、酒を飲みながらAの昔のアルバムを見た