ぼくらの日常２

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侑李side

最近難しい問題に手をつけたら、なかなか正解に辿り
着くことができなくて朝から晩まで机に向かってる。

侑李＞…ふぅ…。

コンコン

煮詰まってきたから少し休憩しているとドアがノック
される音が耳に入ってきて、振り返ると薮さんだった。

宏太＞侑李、今日は節分だから恵方巻き買ってきたよ。
二種類あるんだけど、どっちがいい？

薮さんの手には普通の巻き寿司の長いバージョンと、
少し珍しい色んな種類のお刺身が入ったもの。

侑李＞…えっと…。

宏太＞迷っちゃうよな〜。

僕は散々迷った挙句、普通の恵方巻きに手を伸ばした。

宏太＞ん、こっち？分かった。お皿使う？

侑李＞このままで、

宏太＞このままでいい？分かった。じゃあ、ゆっくり
食べて。後で豆まきの豆持ってくるね。

そういえば方角決まってたよなぁと思って、パソコン
で調べてみることに。

侑李＞ん〜と、…こっち？

今年の恵方はドアの方角だったから、勉強机の椅子を
くるっと半回転させてドアの方を向いて食べることに。

侑李＞…重い。

恵方巻きを持ち上げると、予想外の重量感に驚いた。
そういえば、食べてる間は喋っちゃいけないんだよね。

侑李＞…話し相手なんてもともと居ないけど。

なんて口に出すとなんだか虚しくなって。

侑李＞…いただきます。

大きく口を開けて、口いっぱいに恵方巻きを頬張る。
ゆっくり食べ進めてるけど、少し顎が疲れてきた。

…ガチャッ、

侑李＞…んっ、ふ…！

宏太＞おっ、ごめんごめん。

突然ドアが開いて、薮さんと目が合って。驚きすぎて
ちょっと咽せてしまった。

侑李＞…けほ、けほっ、

宏太＞お水あるよ、飲める？

お水を飲んだらようやく落ち着いて、ゆっくり呼吸を
整えた。

侑李＞…ふぅ…。

宏太＞落ち着いた？ごめんね。まだゆっくり食べてて
いいからね。

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