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裕翔side
いつも、こうだ。その瞬間の記憶は曖昧だけど、後で
事実に気づいた時、とてつもない罪悪感に襲われる。
裕翔>…はぁっ…。
そんなことしても、何の意味もないことは分かってる
のに。気づけば言葉より先に、手が出てしまう。
裕翔>…なんで、っ…。
こんなことを何度も繰り返してしまう自分が怖くて、
許せなくて、涙が止まらなくなる。
裕翔>…どうしたら、いいのかなぁっ…。
もちろん、ちゃんと謝りに行かなきゃいけないことも
分かってる。でも、もうよく分からない。
コン、コン…
裕翔>…っ、はい…。
光>喉乾いたでしょ。お茶持ってきたよ。
裕翔>…あ、ありがと、
コップを置いてくれた光くんは、俺の隣に座って。
光>…裕翔だって、やろうと思ってしたわけじゃない
んだもんね?
目頭が熱くなって、収まりかけていた涙が頬を伝う。
光>どうしたらいいのか、一緒に考えてみよう。ね?
じゃあほら、お茶飲んで一回落ち着こう。
裕翔>…ん、
光>…よし。まずは、裕翔の気持ちを聞かせて?
光くんは、優しく話を聞いてくれて。話していくうちに、ごちゃごちゃしてた頭の中が少し整理できた。
光>ゆっくり、一つずつ変えていこう。
裕翔>…うん。
光>じゃあ、最初の一歩。何をすればいいかな?
裕翔>…大ちゃんに、謝る、
光>そうだね。一緒に行こう。
二人で大広間に行くと、目があった薮さんは優しい瞳
で頷いてくれて。
裕翔>…あっ、あのっ…大ちゃん、
大貴>あ、裕翔。どうしたの?
「どうしたの?」なんて。きっと、大ちゃんはすごく
怖かったはずなのに。
裕翔>…っ、ごめんなさいっ…!
おでこがぴったり床についてしまうくらい、勢いよく
頭を下げた。
大貴>わざとじゃないって、ちゃんと分かってるから。だからもう、大丈夫。
思ってもみなかった返答に、こんなに優しい大ちゃん
に手を出したなんて…と、後悔の波が押し寄せる。
宏太>裕翔、おいで。
こちらにやってきて手を広げた薮さんの胸に飛び込むと、色んな思いが溢れてくる。
裕翔>…なんで、こんな…っ、…もう…俺のせいで、
みんなを悲しませるのは嫌だ…。
宏太>ゆっくりでいいよ。一緒に、変えていこう。
薮さんの声は、さっきよりずっと優しかった。
_story8fin.
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aki(プロフ) - らいちさん» メッセージありがとうございます!あまり詳しくは決めていないのですが、小学生くらいのイメージですね💭 (2023年4月1日 22時) (レス) id: e4cdeb2297 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - 馬刺にフキをトッピングさん» 返信遅くなりすみません…!設定を活かせるお話を書けるように頑張ります! (2023年4月1日 22時) (レス) id: e4cdeb2297 (このIDを非表示/違反報告)
らいち(プロフ) - このお話のなかでは、涼ちゃんは何歳の設定なのでしょうか。いつも更新楽しみにしてます! (2023年4月1日 22時) (レス) @page2 id: 8b4c7af600 (このIDを非表示/違反報告)
馬刺にフキをトッピング - akiさん» ありがとうございます!楽しみにしています!個人的に裕翔君の設定がスゴく好きです! (2023年3月21日 22時) (レス) id: 3e16c1cc65 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - 馬刺にフキをトッピングさん» 更新時間は特に決めているわけではないですが、今のところ9時台か10時台になってます。 (2023年3月21日 22時) (レス) id: e4cdeb2297 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aki | 作成日時:2023年3月19日 20時