ぼくらの日常

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慧side

この施設に来てもう長いけど、未だに心の中に巣食う
トラウマのせいでうまく話せず、読書に耽る毎日。

慧＞…ふふっ。

今日も課題を終わらせた後、小説に没頭する。

宏太＞光〜、ちょっと手伝って！

光＞はぁ〜い。

でも静かな場所よりは賑やかな方が安心できるから、
部屋に戻るのは寝る時と勉強をする時だけ。

宏太＞慧〜、ちょっと手伝って欲しいことがあるんだ
けどいい？

慧＞…うん。

唯一、普通に話せるのは施設長だけ。この時間に呼び
に来るってことは、あれかな。

宏太＞夕飯の下ごしらえ、手伝ってもらえる？

慧＞…うん。

やっぱりだ。でもここに来てから料理の手伝いはよく
手伝ってて、今では好きなことの一つ。

宏太＞皮むき済ませておこうと思ってさ。

慧＞…わかった。

読んでた本を閉じてキッチンに移動すると。

光＞お、来たきた。

キッチンの台の上に乗った、大量の野菜。生の野菜も
それぞれの香りがあって面白いんだよね。

宏太＞三人でやれば早く終わるだろ？

光＞どうかな、薮さん不器用じゃん？

宏太＞なんだって〜？笑

光＞くすぐったい！あははっ！

ああいう風に楽しく人と接することは、俺にとっては
まだまだハードルが高いなぁ。

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