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涼介side

大貴さんの運転で駅に着くと、安全確認のためか電車の運行は止まっているようだった。

大貴>止まっちゃってるね。

涼介>動く目処が分かればいいんですけど…。

大貴>そうだよね。あれだったら山田くんも一回俺んち
来る?電車動くの分かったらまた送ってあげる
し。

涼介>あー、えっと…。

そう言ってくださるのはありがたいんだけど、さすがにこれ以上迷惑をかけるわけにはいかないからなぁ…。

大貴>あっ、無理にとは言わないんだけどね。

慧>…こないの…?

涼介>あっ、いや、その…。

大貴>慧くん。山田くん困っちゃうから。

涼介>いやあの、はい。お願いします。ずっと待ってて
電車が来なかったら寝るとこ探さなきゃいけない
し…。

慧さんの言葉には驚いたけど、俺がそう言うと慧さんはなぜかほっとしたように見えた。

大貴>なんか無理やり引き留めたみたいになっちゃって
ごめんね。

涼介>いえ、とんでもないです。ありがとうございま
す。

大貴>じゃあ行こうか。

大貴さんの家に着くと、慧さんは寝室に行ってしまった。

大貴>山田くん、ありがとうね。慧くんのこと見ててく
れて。

涼介>いえ、そんな。僕はなにも…。

大貴>慧くんは地震が少しトラウマでね。だからこんな
時はちょっとパニックみたいになっちゃうんだ。
1人だともっとしんどくなっちゃってたかも。だ
から、山田くんがいてくれてよかったよ。

涼介>そうだったんですね。速報があった時から様子が
おかしかったんですけど、どう接していいか僕も
分からなくて。

大貴>声を掛けるより背中さすって落ち着かせてあげる
と安心するみたい。

涼介>なるほど。

大貴>まぁ、電車動くまでゆっくりしていってね。

涼介>ありがとうございます。

その後1時間くらいで電車は運行を開始して、また大貴
さんが駅まで送ってくれた。

涼介>ありがとうございました。

大貴>こちらこそありがとう。これからも慧くんのこと
よろしくね。

涼介>こちらこそ、よろしくお願いします。

大貴>うん。じゃあ、さようなら。

涼介>さようなら。

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作者名:aki | 作成日時:2021年9月4日 12時

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