たすけあい (ページ18)

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いつの日か P ページ18

裕翔(22) 涼介(17) 家族設定

裕翔side

裕翔＞涼ちゃん、おはよ。

涼介＞…ん…。

弟の涼介は、中学の頃からとても成績が優秀だった。
でも、高校に入学後ある時期からそれをよく思わない
一部の生徒に嫌がらせを受けるようになったらしい。
勇気を出して相談した担任にもとりあってもらえず、
ずっと一人で耐えていた結果、涼介は心のバランスを
崩してしまったんだ。今は高校をやめて、家で1日を
過ごしている。

裕翔＞朝ごはん食べよっか。

涼介＞…うん…。

俺は大学生で、普段は一人暮らしをしてるんだけど、
授業がない日にはいつも涼介と2人っきりな母さんの
息抜きと、涼介が母さん以外とのコミュニケーション
をとる訓練のために、俺が涼介と実家で一日を過ごす
ことにしているんだ。

裕翔＞パンでいい？

涼介＞…うん…。

裕翔＞ジャムあり？なし？

涼介＞…そのまま…。

裕翔＞焼くのもなしでいい？

涼介＞…うん…。

裕翔＞飲み物は何がいい？

涼介＞…牛乳、あったかいの…。

裕翔＞はーい。じゃあ用意するから座って待ってて？

涼介＞…わかった…。…あっ、あの…ごめんなさい、

裕翔＞言いたいことを伝えるのは、悪いことじゃない
んだよ？だから、涼介は謝らなくていいの。
兄ちゃんは、ごめんじゃなくてありがとう
って言われたいな。

涼介＞…あ、ありがとう…。

裕翔＞ふふ、どういたしまして。

一時期は話すこと自体がトラウマになっていた涼介。
今は質問に答える形なら少しずつ話せるようになって
きたけど、自分の感情や要望は我慢しなきゃいけない
という思い込みは拭うことができず謝ってくることが
多い。その度に謝らなくていいんだよ、と伝えている
んだけど、一度受けた心の傷を無くすのと同じくらい
その思い込みを取り払う事は難しいみたいだ。