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安らいだ顔を見て安心した。
 時計の針は朝の7時を指す。

 いつもならぐうぐうに寝ている廻。
 でも、今日だけはなんだか早く起きてしまった。


廻「(よかった……気持ちよさそうに寝てる)」


 少し笑っているように見える綺麗な顔。
 髪も生糸のようになめらかで、さらさら。


廻「(ずっと、こうしてたい)」


 だいすきな人の、たいせつな隣。
 あたたかい朝を、何度もこうして迎えたい。

 もし、あなたに気持ちを伝えたら……
 あなたはどんな顔をして、なんて答えるのだろう。

 廻はそこにある幸せをぎゅっと抱きしめた。


廻「あ……も〜、Aったら……かわいすぎ」


 きゅっと廻の服を掴む小さくて綺麗な手。
 意外と強く掴まれていて、なかなか離れない。

 そっと頭を撫でてやる。
 すると今度は、その手に擦り寄ってくる。

 いかないで、もっとして、というように。


廻「俺だって、もっとこうしてたいよ」


 でも、この後も仕事があるって言ってたから。
 仕方なく、この朝を終わらせる。

 さあ、起きて。俺の大切なひと——————


廻「——————おはよ、A」


 —————————


優「(さて、そろそろ廻を起こしに……)」

廻「おはよー」

優「えっ……お、おはよう(ねぼすけの廻が珍しい)」

廻「顔洗ってくる〜」

優「う、うん……あ、Aちゃんは?」

廻「Aなら着替えてから来るって」

優「はーい(廻も成長したな……)」



 トーストが焼ける音、目玉焼きが弾ける音、牛乳を淹れる音、朝ごはんの音がリビングを包む。

 『おはようございます』

優「おはよう。廻、ごはん」

廻「はーい♪」

 3人で美味しそうな朝食が並んだ食卓を囲む。


 『そういえば今日、いい夢みたんだ』

廻「へぇ〜、どんな?」

 『でも起きたらすぐ忘れちゃって……』

廻「俺はね、すっごくいい夢見たよ!」

 『どんな夢?』

廻「んーとね……」


 廻の口元についたパンくずを冷たい手が取り除く。


廻「あ、ありがとう」

 『どういたしまして。で、どんな夢みたの?』

 まっすぐで優しい瞳に囚われて、心臓が心地よい痛みを伴って脈を打つ。


廻「……忘れちゃった♪」



 タキシードを着た廻がウエディングドレスを着たAと、笑顔で楽しそうに手を取り合って歩く。

 いずれ訪れる理想(フィクション)のような、廻がみたのはそんな夢。


 でも、今のAには教えてあげない♪

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ネムノキ(プロフ) - ????さん» 素敵なコメントありがとうございます!そのお言葉が今後の励みに繋がります📣これからもぜひ、青バサを楽しんでください✨ (12月31日 17時) (レス) id: 2f94861ab5 (このIDを非表示/違反報告)
????(プロフ) - 連載開始1周年おめでとうございます!これからも楽しみに待ってます!! (12月31日 17時) (レス) @page1 id: de7dec8312 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ネムノキ | 作成日時:2023年12月30日 22時

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