検索窓
今日:89 hit、昨日:230 hit、合計:62,743 hit

⚪︎ブルーロックの糸師凛IV ページ19

『……まだ、抱えてるんだ』

凛「……」


 多分、『抱えてる』というのは自分の過去——

  即ち、副島音穏(親友)の死で間違いないだろう。


 『……今でも、たまに思うんだ。
 “私が生きていてよかったのか”、って』


凛「!……んなこと、思ってんじゃねぇ」


 『音穏ちゃんのおかげで、サッカーを始められた。

 ケガをして辞めても、サッカーをやっていたから私は“青い監獄(ここ)”にいられる。

 でも、恩人がいなくなっても尚、こうして当たり前のように“生きている”って心臓が脈を打っている……』


 よほど辛い思いをしてここまで生きてきたんだろう。

 心臓を縛りつける過去の思い出が残る限り、Aは自分の存在に悲しさを覚えてしまう。


 俺は、糸師凛は、あなたと出会えてよかったと、心の底から想っているのに……


 『ごめん、こんな話して。
 けど、どうしても思わずにはいられなくなるんだ』

凛「……まだ、続いてるのか」

 『……うん』


 「続いてる」とは、以前Aから聞いた症状。

 手や足など体の一部が急に冷えてなかなか温まらなかったり、知らないうちに感情に反して涙が溢れてしまったり……

 A曰く、今までの過去(ストレス)が原因ではないか、と。


 『前に比べて、頻度は減ってきてる』

凛「だったら前は頻繁だったのかよ」

 『……んー?』

凛「おい答えろ」


 不安なら俺を起こしてくれたっていいのに。

 きっと癖だから悪態をついてしまうかもしれないけど、Aの為なら喜んで受け入れたのに。


 俺は、糸師凛は、——————


 『まあ、そうかな。
 でも今は健康体そのものだから大丈夫』

凛「今でもたまになるなら健康じゃねぇだろ」

 『凛ちゃん厳しい……』

凛「お前はそういうところがぬりぃ」


 ——————俺は、そんなに頼りないのか。

15,→←14,共に生きた日♦︎−I



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (135 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
326人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ネムノキ(プロフ) - りすさん» 長らく返信できず大変申し訳ありません💦コメントありがとうございます!温かいメッセージを胸に今後も頑張っていきますので、よろしくお願いします! (12月16日 12時) (レス) id: 2f94861ab5 (このIDを非表示/違反報告)
りす(プロフ) - とっても、面白いです!!主様のペースで頑張ってください!いつまでも待っています! (8月22日 3時) (レス) @page50 id: 6cf6d64f42 (このIDを非表示/違反報告)
ネムノキ(プロフ) - 遅れてすみません💦コメントありがとうございます!先週はあまりにも忙しくて更新できませんでしたm(__)m今週からまた頑張りますので、よろしくお願いします✨ (2023年4月27日 7時) (レス) id: 2f94861ab5 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 番外編おめでとうございます!更新頑張ってくださいね!この小説めっちゃ好きです! (2023年4月18日 17時) (レス) id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
ネムノキ(プロフ) - 読者の皆様。コメントにて簡単な挨拶失礼します。大変長らくお待たせしてしまい、大変申し訳ありませんでした!なかなか出だしが決まらずにいましたが、この番外編もお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m (2023年4月18日 0時) (レス) id: 2f94861ab5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ネムノキ | 作成日時:2023年4月17日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。