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『誰もいないから凛ちゃんにだけ話そっかな。

 冴選手は遠くにいっちゃったし、音穏ちゃんとはあまり話さなくなったし……信頼できる人がどんどんどこかに行っちゃってさ。

 サッカーの応援来てくれる子だって、友達なんて呼べるものじゃないし……』


 Aの中学での様子は実際にはわからなかったものの、彼女の表情でなんとなく察した。


 『でも、凛ちゃんはいつも私の傍に居てくれるから、どんなに辛くても頑張れるんだ。

 だから、今1番チョコあげたいなって思ったのは凛ちゃん』


 Aは凛に優しくふわっと微笑んだ。

 顔に段々熱が集中していくのがよくわかった。


 『だから、嫌じゃなかったら受け取って欲しいな』

凛「……あ、あり、がと」


 Aの手に触れた自分の手が熱いのは、きっとホットチョコレートの入ったマグカップをずっと握っていたからだ。


 その日飲んだホットチョコレートは今まで味わったどんな食べ物よりも甘くて、とても温かかった。


 ———————————————


糸師母「ホットチョコレートを作って飲んだの?」

凛「うん」

糸師母「そう。美味しかった?」

凛「うん!」

糸師母「ならよかったわ。
 Aちゃん料理上手だものね」


 母が帰宅し、父の帰りを待たず先に夕飯を食べることになった。


糸師母「あれ、凛。その包みは?」

凛「ん?……あ」


 急いで自分の手元にその包みを手繰り寄せ、ぎゅっと抱きしめる。


糸師母「それ中身なんなの?
 もしチョコとかだったら、あまり潰さない方がいいわよ」

凛「……Aねえちゃから貰った」

糸師母「まあ!Aちゃんがくれたの?」

凛「ん」

糸師母「中身見たら?」


 包みをそっと開けて中身を覗いてみると、上品で甘い香りがした。

 試しに1個取り出してパクッと一口食べてみると、バターの優しい香りと味がしてとてもおいしかった。


凛「んふふ……うま」





 〈 カップケーキ 〉

 海外では誕生日や結婚式などのパーティーでフィンガーフードとして、特別な日に食べられることが多い。

 諸説はあるが、バレンタインデーの際に宿る意味は『あなたは特別な人』。

⚪︎ブルーロックの糸師凛III→←12,



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ネムノキ(プロフ) - りすさん» 長らく返信できず大変申し訳ありません💦コメントありがとうございます!温かいメッセージを胸に今後も頑張っていきますので、よろしくお願いします! (12月16日 12時) (レス) id: 2f94861ab5 (このIDを非表示/違反報告)
りす(プロフ) - とっても、面白いです!!主様のペースで頑張ってください!いつまでも待っています! (8月22日 3時) (レス) @page50 id: 6cf6d64f42 (このIDを非表示/違反報告)
ネムノキ(プロフ) - 遅れてすみません💦コメントありがとうございます!先週はあまりにも忙しくて更新できませんでしたm(__)m今週からまた頑張りますので、よろしくお願いします✨ (2023年4月27日 7時) (レス) id: 2f94861ab5 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 番外編おめでとうございます!更新頑張ってくださいね!この小説めっちゃ好きです! (2023年4月18日 17時) (レス) id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
ネムノキ(プロフ) - 読者の皆様。コメントにて簡単な挨拶失礼します。大変長らくお待たせしてしまい、大変申し訳ありませんでした!なかなか出だしが決まらずにいましたが、この番外編もお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m (2023年4月18日 0時) (レス) id: 2f94861ab5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ネムノキ | 作成日時:2023年4月17日 23時

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