男 or 女 5

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隆二side





車に乗り込むと無造作にミネラルウォーターのボトルが投げられた。




A『 駐車場の外からは、ちゃんとして下さい。』


隆二『 ほーい』





俺とAが一緒に帰るときは、
決まって車の中でAになるA。





今日も運転席と助手席の隙間から後部座席に移動しTシャツの上からサラシを胸に巻き、パーカーを着込み、また運転席に戻る。



『はい』の声と共に後部座席のパワースライドドアが開けられた。



俺が降りたのを確認すると、またドアが自動で閉まる。





いつもだったら、一緒に歩いて帰るのに、
俺の前をスタスタと早歩きで歩くA。







隆二『 Aさん？ 』


A『 なにか？ 』



振り向きもせずにスタスタと歩くA。




隆二『 A？ 』





俺が名前を小声で呼ぶと、振り返り真顔のA。
ニット帽を深く被っているので顎を上げた。





A『 週刊誌、ネットニュースに 三代目JSB 今市 泥酔 で載っていいなら、ゆっくり歩けば？嫌なら早く歩け。』





また振り返り早歩きでマンションのエントランスに入って行った…








エレベーターに俺が着くと、扉が閉じてた。
先に行ったのか？？



ひどいっすね。




なんて思っているとエレベーターの扉が開き、中には、Aがいた。




A『 遅い 』


隆二『 すいませんね、酔っ払いなもんで 』



横目で俺を見てるA
明らかに機嫌が悪い。





俺が乗り込むとAの部屋と俺の部屋の階のボタンを押したA。





A『 …………。』


隆二『 …………。』






なんか話さないと……。
なんて思ってたら、Aの部屋の階に着くわけで……




A『 お疲れ様でした…。明日は、オフなのでごゆっくり 』


隆二『 ……はい。』








いつもだったら閉まるまで見てるのに…
背中を向け歩いていった…。







はぁ………









完全に酔い冷めましたわ…。



自分の部屋のリビングに灯りを付けまた部屋を後にした。








あ、これ、いつも俺らがやってる記者対策。

絶対にどっちの部屋も灯りをつけること。その後にカーテンを閉めることで、同じ家じゃないって外から見てもわかるようにだって、Aが言ってた。







部屋を後にして向かうのは、Aの部屋。




勘違いしてるなら、誤解を解かないと。
こんな勘違いで別れたくないし。






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