うさぎとライオン

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保育園に戻る途中、見覚えのあるランドセルが園内へと入っていた。





お迎えに来てる保護者はまばらでその大人の脚をすり抜ける大きなランドセルとスポーツバックを持った男の子。








どう見ても空だ……。







1年生でスポーツバックまで肩から背負うのは、うちの子しかいない。









“ あ、陸ママ、今日早いんだね。”



“ あ、ほんとだ。空くんの秘密がバレちゃうね。”



「 え？秘密？」



“ ママが鬼になっちゃうって言ってたかな。”







バタバタと人混みを縫って、靴を脱ぎ捨て入って行った場所は “ うさぎ組 ” の教室。






先生がちょいちょいと私を手招きして
呼んだ場所は、外からうさぎ組が見える場所で、
臣先生を押し倒そうとしそうな勢いで陸が膝に乗ってる。

その後ろから今度は空が背中から臣先生に抱きついてる。








「 ……もしや、、毎日こんな感じですか？ 」



“ 毎日ですね。2人共臣先生が大好きみたいで。”



「 空までとは、、知りませんでした。」



“ 陸くんを守れー！ って言ってましたよ。いいお兄ちゃんですね。”



「 あははは、、ははは、、、すいません……。」









空が急いで保育園を後にした後、私は、何も見てない素振りをして、お迎えの列に並んだ。







臣先生になんと言えばいいのやら……









『 ママー！！ 』



「 あ、、、陸、、、」






……やっぱり陸は、臣先生の腕の中で。





陸を優しく廊下に降ろすと
思いがけない言葉が私に降りかかった。









『 ……来週、非番あるけど。』



「 ……へ？ 」



『 ……空の授業参観の日。』



「 ……ん？ 」



『 よければ俺、行きますけど？ 』



『 陸もいくー！！ 』



『 陸は保育園だろ。』



『 やーだー！陸も！ 』









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