バツ恋３ (ページ1)

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Aside

小さな保育器の中には、
小さな天使が眠ってる。

“ 元気な女の子ですよ。”

待合室にいた岩田夫妻と今子さんの旦那さんは、この声に安堵して旦那さんは、別室へと呼ばれた。

早産だったこともあり、赤ちゃんはNICUへと運ばれ、私たち4人は外から大事そうに抱っこされた赤ちゃんとご対面できた。

『こりゃー……溺愛確定だね。』

『今はガッツ石松だけどね。』

専務の声に笑っていると私の隣で赤ちゃんの顔を覗き込もうとしていた人の顔もとろけるくらいにゆるゆるの笑顔をこぼした。

NICUのガラス窓越しに、手巻きされた人は
自分に指をさして何度も私たちに “ 俺？俺？？ ” と確認を取った。

剛典
『早く行っといで。あの人たぶん奥さんのところに駆けつけたいから。』

岩子
『赤ちゃんより奥さん……さすが。』

NICUの中へと呼ばれ、赤ちゃんを代わりに抱っこした人は、まるで自分の赤ちゃんを抱きしめるように抱きかかえた。

剛典
『 …………スーツとニッカポッカ……。』

岩子
『こうやって見るとそっくりね。』

剛典
『 ……げ。隆パパが2人ってなんかやだわ。』

岩子
『どうする？オーナーにもそっくりな人がいれば…… 』

剛典
『あ！！！……俺、、もう会ってるわ…… 』

隣で夫婦仲良く話す会話より
私は、、、、今、、、目の前の光景を目に焼き付けた。

だって……隆二が赤ちゃんを抱いてる……
とろとろに溶けた笑顔で抱っこしてる隆二がいる。

なぜ離婚なんかしたんだろうか……
この素敵な瞬間を

私達も迎えることが出来たんだろうか……

隆パパ
『あいつ、抱っこ下手くそなんだけど。』

剛典
『しかたないっしょ。初めてだし。』

隆パパ
『ちょっと見てて。俺、Aんトコに行ってくるから。岩子わりんだけど、病院のロビーにそろそろ隆達くっから出迎えよろしく！』

岩子
『はーい。』

剛典
『やっぱりね……。』

隆パパ
『 ……ん？ちょっと聞いてんの？』

私に視線を向けた今子さんの旦那さんは
また同じセリフを言った。

隆パパ
『ちょっと見といて。』

A
「え！？わ、、、わたし！？」

隆パパ
『 ……あと誰いんの？』

そうだけど…………

．