バツ恋２

． ページ18

広臣side









愛人……んなわけねーよ。






俺も冗談で聞いたけどきっぱりと否定した。

それに岩田専務の目は
まるで身内を見てるみたいにタコ助を見てた。

兄貴と妹って感じだった。









んな嘘を言ってどうする？
なんて思うけど、小さくなったタコ助は
やっぱり訳ありだろう。





たぶん……隆二も嘘だって知ってるはず。
愛人と知った男の反応じゃなかったしな……。









こいつら……なんで離婚したんだ？









未だに顔を上げないタコ助は
小さくなったまま拗ねたガキンチョみたいで。









……はぁ、、、、









…………









両手の指を絡ませて
骨を鳴らして、付けてる指輪を外した。









俺って超優しくね……？









…………ゴンッ









指輪は凶器だからな。
俺の優しさを後頭部に受けたタコ助が
頭を抑えながら顔をやっとあげた。









……やっぱ泣いてんのか。






目元のメイクは落ちて、いつもより少し幼い顔をしたタコ助は
一筋の涙をながした。









「 泣くくらい痛かったか？ 」



『 い、、、』



「 サボった罰だ。」









目を真っ赤にして、
隆二と一緒にいて泣いてんじゃねぇ。









『 グーで殴った！？ 』








殴った拳に息を吹きかけ目線をタコ助へ動かすと、ムッと頬を少し膨らませた。









「 ……そんなに痛かったか？ 」



『 痛いに決まってます！！グーで殴るなんて…… 』



「 泣くくらいだもんな。」



『 ……っ、、』



「 ほら、仕事戻んぞ。」



『 ……、、 』



「 顔直してこいよ。」



『 ……はい……。』









手を伸ばすと、俺の手を掴んで立ち上がったタコ助は、変なハンカチで顔を覆った。









俺って優しいだろ。
なんで泣いたかなんて聞かない。

俺が泣かしたってことにすれば気分は
少しだけ違うだろ。






ほかの男に泣かされてんじゃねぇーよ。









．

×→←×

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す