バツ恋２

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隆二side









“ 俺はね、約束は守る男なんですよ。”





社会人としては当然だ。
だけどLDHの専務が言う意味は違うようにも思えた。








電話を切る前に言われた言葉は
あきらかに俺に向けられてるように思えた。







納期を守れ的なニュアンスだったけど
何がか引っかかる。









“ あ、それとさ、Aさんにこっちの意向は掻い摘んで話したから、Aさんに聞いてくださいね。”









…… ほら、やっぱり引っかかる。






仮にも社長の俺へ直電してきて
研修生に聞けと言うLDHの岩田専務の意向。









YES しか言えない立場の俺は
その “ その掻い摘んだ情報を聞くために
Aを呼ぶしかない。







会社のため……









……そこで恨み言の１つでも聞ければいいがな……。








会社の為は建前で
後者の方が今の俺にとっては重要かもしれない。


……いや、、どっちもだけど……









『 しゃちょー、お客さんやでー。』





…………締まりのない声は
デスクのスピーカーから聞こえて。









椅子から腰をあげると、小さなノックが聞こえた。









『 失礼します……企画部のAです。』









深々と頭を下げたAは、顔をあげると俺の顔を直視したような気がする。








さぁ…来い！恨み節！！









『 LDHの件ですが…… 』









来たのは、LDHの情報だけ。









恨み節なんてなかった……。









淡々と仕事内容を話して、俺に立ったまま話を続けた。









『 …………というわけです。』



「 ……あと、、、話しておきたいこと…ある？ 」



『 ……あ、岩田専務が……』



「 俺にやれって言ってんでしょ？それ以外。」









さぁ……来い！恨み節！！！！！









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