バツ恋

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広臣side









“ 今日はありがとうございました。”




そう言って俺に満面の笑みを浮かべたタコ助は
俺と反対方向へと足を進めた。









……うわ、、俺初めてなんだけど。





こんだけ機種変に付き合わされた挙句…
解散１８時。









俺は、中学生ですか？
タコ助は門限ありの中学生ですか？




なんて言っても、俺の前をスタスタ歩いて行く女は
着飾ることもなく、デニムにＴシャツにスニーカーで
颯爽と薄暗くなった街を歩いて行った。







俺とデートと言えば、
それなりのおしゃれな格好でくる女が多かった。

デニムにシャツ、足元はスニーカーなんてもってのほか。
ピンヒールをカツカツ鳴らして来る女が多かった。









「 ……おもしれー奴。」



『 ……え？なにか言った？ 』



「 いや、べつに。」



『 変な子。』









ムッと目線を向けると
やっぱ同じ顔でムッとした視線をくれた奴。

こいつは面白くもなんともない。





タコ助と解散した後、俺は姉貴に呼ばれた。








んで、この状況……。









すっげーーーー離れたところで親父が
黙ったまま飯を食ってた。









『 広臣も頑張ってますよ。』



『 そうか……。』



『 でも、広臣さんは難しいんじゃないかしら。』









なんの話だ？









．








急に呼ばれて来た俺の実家？は、いつもの如く殺伐としていた。








っと言っても
俺は愛人の子。

否定的な発言をしたおばさんは、姉貴の母親で。
俺の存在が大嫌いな人だ。









『 広臣さんも、継ぐ気はないでしょ？ 』



『 お母様！そんな言い方しなくたっていいでしょ！？ 』



『 ……ふんっ。』









……要するに



俺にこの会社を継がせる話が親父と姉貴の間で話し合われているってこと。



それを嫌がるのが、義母ってわけか。





まぁ……だろうな……。
愛人の子だし。



俺も継ぐ気なんてさらさらない。









『 百合子が隆二さんと結婚すればいいだけの話でしょ。なにを悩むことがあるのよ。』



『 そ、、それは、、、、』



『 ……隆二はなんて言ってるんだ？ 』









やっと口を開いた親父は
一応疑問系で口を開いた。









『 なにも……、笑って誤魔化されてる…俺はバツイチだからって……。 』



『 あなたもバツイチだからいいでしょ。』









……へぇ……




知ってんだ。バツイチだって。
お互いバツイチだしってことか。







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