バツ恋

． ページ44

Aside









カフェでスマホのレクチャーを受けること数時間。




なんとか使えるようにまでなったスマホを片手に浮かれていると、コーヒーのグラスのそばに小さい箱が置かれた。






一見タバコの様なサイズ感の小さな箱。
白くラッピングされたその箱を不思議そうに見つめると







『 スマホデビュー祝い。』


「 ……開けていいですか？ 」



『 どうぞ。』





オミさんはストローを咥えて流し目で私を見てくる。




包装紙も安い素材じゃなくてちょっとお高そうな包装紙を破かない様に慎重に開けると、どこかで見たことのありそうな、マーク。



りんごのマーク……、、





あ、、スマホと同じマークだ…。









『 それあれば、通話もスマホを持たなくて出来るし。』



「 ……へぇ〜 」



『 貸して。設定するから。』









そう言って……また私のスマホを取られて、
慣れた手つきで設定してく。




覗き込む様に前のめりに体制で食いつく私に
鼻で笑って、操作を続けるオミさん









『 ……ちけーよ。』



「 だって見えないし。どうやってやってるんですか？ 」



『 わかんなくなったらまた俺に聞けばいいだけじゃん。』



「 ……どうせ、有料でしょ？ 」



『 ……チッ。』









ここのカフェの飲み代、私だもん。
だから私の大好きなホイップ足してないし。









『 あ。……ほれ。』



「 ん？？ 」









私の画面には









“ ノッポさん ” の着信を知らせる画面が表示された。







『 お前だって、人のこと言えないじゃん。こんな名前をつけるやついるか？ 』



「 だって、ノッポさんだし、、出ていいですか？ 」



『 どーぞ。』









ノッポさん……どうしたのかな？
電話なんて数年ぶりだな……









“ もしもし？ Aちゃん？ ”



「 もしもし、、、 」



“ 友達に追加されたって表示されたカラ、電話したんだけど大丈夫？ ”



「 あー、、今ちょっと出先でして……折り返し電話しても大丈夫ですか？ 」



“ いや、いいよ。またなんかあったらこっちから電話するから。”









そう言い終えるとすぐに電話は、切れてオミさんの操作していた設定画面が表示された。









“ またなんかあったら ” ……か。




そのワードは、ちょっと怖いな……。
直己さんのそのワードはいつも隆二に関することが多かったから…。









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