バツ恋

． ページ34

Aside









あれから数週間。


私は……完全に干されてる。
となりのオミさんは少し忙しくなったようで
忙しそうにキーボードを叩いてる。






これが仕事なんだろうか……と思うほどに私だけ暇です。


ネットサーフィンしても
何も言われない。



完全な給料泥棒だ。





先輩方に何かやることはありますか？と聞いてみるけど、返ってくる言葉はみんな一緒。“ ないから大丈夫。” と。





もしや辞めるのを待っているのかと思うほどに
私は職場内ニートだ。








だからお茶汲みをしてみたけど
“ Aさん！いい！お茶汲みなんてしなくていい ” とのこと。


ウォーターサーバーの水を変えようとしても
誰かが走ってきて、それすらも
“ Aさんはなにもしなくていいんだよ〜 ” と。









辞めるのを待ってるのかと思ったので
退職願も書いて出してみたけど……






“ そんなに焦らないで。まだ研修期間だって終わってないし！まだまだAさんにはやってもらうこともあるんだから。”









……いや、ねーわ。








思わず心の中でツッコミを入れたのは言うまでもない。





とにかく暇で、、暇で、、暇なのです。
何かやることないかな……っとただいま詮索中です。



ないなら見つければいいだけの話だし。









『 あれ？？？こんなところでなにしてるん？ 』









って言っても、早々仕事が落ちているわけでもなく、屋上のフェンスに指を絡めていると誰かが私に声をかけてきた。









『 今日は、ナイトおらんの？ 』


「 ……ナイトですか？？ 」


『 いつもおるやん、あんたの側に、目つきの悪ーいやつ。 』






両目の端を抑えて横に引っ張った男性は、
あの時私にエクストラホイップを渡した人で、
社員証には、



秘書課ドライバー

山下 健二郎



と書かれていた。







『 おるやろ？いつも一緒に。』



「 オミさんのことですか？ 」



『 たぶん、そいつやな。いつも一緒やから。』



「 デスクがとなりなので。」



『 へぇ〜 』









…………。







…………。









なにか続きがあるのかと思ったけど
それ以上は何も無くて
ただとなりに立った山下さん。









『 お、やっぱ来よった。 』




「 ……？？ 」




『 やっぱし、ナイト様やろ。 』









山下さんの目線の先には
オミさんが仏頂面でこちらに歩いて来た。









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