バツ恋

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広臣side









『 昨日はご馳走さまでした！ 』


「 いーえ。」









ラーメンを食いに行った後、タコ助は、ニコニコとこれまでに見たことのない笑顔を振りまいたが、社内へと戻るとその顔は一変する。





嘲笑う社員たちの前でも凛とした姿。




ファイルを部長に渡すと
賞賛する部長、、笑い声を上げた社員達。








そして次の瞬間、
その場は凍りつかせたのは









…………俺だ。









“ LDHって知ってます？Aさん、専務と友達なんだって。” と。









LDHといえば、知らない奴は誰もいない。
超大手の企業だ。


そんなLDHの専務と友達と言えば
この場で優位に立つのはタコ助だ。









ほら……今も研修生に周りがどよめき立つ。








『 なんか……ものすごい見られてません？ 』



「 あぁ、、俺がかっこいいからじゃない？ 」



『 ……なるほど。』







んなわけあるかよ。

昨日の一件でタコ助は、一目置かれる存在だ。








俺とタコ助がエレベーターに乗り込めば
そのエレベーターに乗ろうとする軍勢は
“ どうぞ、どうぞ ” と譲り合う。







『 乗らないの？ 』



“ しゃ、社長！？どうぞどうぞ！ ”









そんな軍勢をするりと交わして
乗り込んできたサングラス社長とお笑い運転手と侍エンジニア









社長が愛想を振りまき終えると
動きが止まった。









『 お、、あぶね、りゅーちゃんはよ乗れやー！ 』



『 どうし、、おう、おはよう。 』








フリーズした社長を横にわらわらと乗ってくる2人。
隅に寄ったタコ助は小さく挨拶をした。









……なにしてんだ？





フリーズした社長の目線の先には
俺を見上げるタコ助で。






『 ちょっと、ホス、、オミさん、降りた方がいいのでは…… 』



「 え、、なんで？ 」







俺の腕を掴み、無理矢理降ろそうとするタコ助は









……可愛い、、、








、、、じゃ、、ねぇ、、、。









引かれるがまま降りようしたタコ助の腕を今度は社長が止めた。









『 …………降りなくていいよ。』



『 、、でも、、 』



『 いいからっ！』









少し強めな口調に、タコ助はシュンと肩を落としたように見えた。









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