バツ恋

． ページ29

隆二side









『 あの子は、、苦労人なんですよ。』





そこから始まったAの過去話。









あの子は、ここに来た時……
“ 私を1000万で買ってください ” と私に直談判してきたんです。

びっくりしましたよ。
あんなに綺麗な子が買ってくださいだなんてね。

私は、理由を聞きましたよ。
多額の借金があるのかと思ってたら
旦那さんの仕事の手助けがしたいんだなんて。



もちろん、マリンは、笑顔で言いましたよ。





“ 私の夢なんです、あの人の夢が叶うことが ” と。






毎月のノルマを必死にこなして…

私の立場から言わせてもらうと
あの子は宝石の原石でね、ものすごい利子をつけたにも
関わらず、“ それでもいいです！ ” と。



マリンをうちに置く唯一の手段でしたから。




それでも体力の限界なんですかね…
それとも私の管理不足か……

マリンは愚痴一つ言わず
顔にも見せず……


口を開けば、、



“ あの人の仕事は絶対に成功するんです！ ” とそれだけ。






あの子が何をしたというのかしらね……。
両親の遺産もその男に使い切って
それでも足りずに、夜の世界へと来たのだから。









「 ………… 」








……全然知らなかった……。


ママの言う通りAは……いつも笑顔だった…。









．









『 お帰り下さい。貴方はここに来ていい人ではないわ。』



「 ……知らなく『 そんな言葉、私が聞きたいとでも？ 』



「 俺は 『 貴方たち、離婚したんですってね。 成功して……捨てたの？ 』



「 ちが 『 そうよね。貴方の子供まで授かってた人を捨てるなんてないわよね。』



「 え、、、俺の子供…… 」



『 ……それも知らなかったの？ ……もうあの子には、構わないでちょうだい。あの子は幸せになるべき人よ。』



「 あの……子供は…… 」









次の瞬間……
息が止まるかと思った……









『 ……流産したのよ。過労でね。』









……俺、、、なんにも知らなかった……。









『 貴方がそうさせたんでしょ？ 』









．









ママはボーイを呼び、俺を店の外へと出した。









『 もう来ないでくださる？ 貴方はこの街を一歩も歩かないでちょうだい。目障りだわ。』と俺に感情を無くした顔をして見送った。









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