バツ恋

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Aside








“ では行こうか？ ”



「 その前にサインと捺印をお願い出来ますか？ 」



“ 心配しなくても部屋でしますよ。 ”






心配にもなるでしょ！
ここはホテルのラウンジ、上にあるのは客室しかないんだから！








……あの女子社員め、、
若い割りに仕事が出来るかと思ってたのに
こういう事か……。

女の武器を使うのは全然OKだけど
身体を売るのはご法度でしょ。









“ 早く行きましょう。それとも……この大口の契約、、なかったことにしてもいいんですよ。”









あ、脅し？
脅しなの？？？







“ 貴女が対応すると言ったんですよ？ ”





うわ、、、知らなかったとは言えど
言いちゃったし……
お店なら黒子が助けてくれるけど
ここは、お店じゃないし
黒子だっているわけないし





“ さぁ、早く。”






だって……部屋でしょ？

生娘じゃないから
部屋イコールってアレしかないでしょ。




無理でしょ。
うん、無理。
ありえないでしょ。
好きな人となら全然いいけど
嫌いなら尚更よ。







渡したファイルをヒラヒラさせて
ニヤリと気持ち悪い笑みを浮かべた小田切さんは
私をまた眼で吟味した。









……え、マジで気持ち悪いんですけど、、









その目線は私の背後になにかを捕えたのか
さっきまでの威厳は失われつつある。









『 あれれれ？？小田切さんじゃないっすか？ 』









万事休す！









……かと思ったのに……









私の万事休すは
気休めにもならなかった。









『 君は……、、 』









急いでファイルの書類にサインと捺印を押して
逃げるように帰って行った小田切さんの空いた席に
腰を下ろしたのは









『 日中に会えるとは奇遇だね、マリンさん。』









私のお店の名前を知ってる人だった。









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