バツ恋

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Aside









“ これ見てー。”






パソコンの画面には
新築の家の間取りと外観。







“ これが俺らの住む家になる予定！ やばくない！？ ”



“ いいね！あ、窓も大きい！！”



“ Aと俺の部屋はこっち。んでその隣が子供部屋！ ”



“ いち、にー、、さ、、、何人子供産まれるの？ ”



“ んー、俺三兄妹じゃん？だから同じく３人？ ”



“ ３人？でも部屋あと２つあるよ？ ”



“ 多い方が楽しいじゃん！ ”








ふにゃっと笑ったあの人は
その後もこの部屋にはこれを置くんだとか
たくさん夢を話してくれた。









…………









…………









「 ……なんて夢を見てるんだ…私は。」






目を醒ますと見慣れた天井で
その夢に出来た大きな立派なお屋敷ではなく
ワンルームのアパート。


夢と現実の差は計り知れないし……




あの人は……もういない……









これが現実。









［ 恨んでないの？ ］






よく聞くワードにいつも、




恨んだことないよ。そう言ってきた。

恨む恨まないの問題じゃない。





あの時は、それで幸せだった。
何回失敗しても次こそは、、、
そう言って頑張るあの人が大好きだったから。






離婚だって、

流産していなければ、、
もっと早く気づいていれば、、



私達の今は、変わっていたのかもしれない。







自分の体調に気づけなかったことが1番辛かった。






情けない……
あの人の些細な変化ならすぐ気付くのに
私は自分の身体の変化に気づけなかったんだから……。









目を再度閉じて深呼吸してゆっくりと目を開けるとベットの脇にあるテディベアが今日も私を優しく見守っていた。






この子は今私の家の中に唯一あるあの人の物。
産まれるはずだったあの人と私の子の代わりとして大事にしてるテディベア。









「 夢でね、、パパに会ったよ。」




“ パパ元気かな？ ”




「 夢の中では笑ってたよ。」




“ 会いたいね。”




「 そう？パパの方がいい？ 」




“ ううん、ママがいい。”









妄想というは、便利なもの。
本当は喋らないテディベアもこうして話し相手になってくれるんだから。









「 さて、、今日もママは元気に頑張ろっと！ 」









うるみかけた目を擦り、両手で顔を軽く叩いた頬。









今日から新しい職場探しだっ！！









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