バツ恋

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直己ide







『 あの仕切り邪魔で見えないじゃん！ 』



「 個人スペースあった方がいいって言ったのはお前だからな。」



『 今、なにしてんの？機械苦手なのに大丈夫かな？』









企画部の前をわざと通ってガラス張りの企画室をこっそり覗こうとする隆二はもはやストーカーかもしれん。






さっきまでうなだれてた隆二は
今は少しだけ回復したらしい。




なんで項垂れてたかって？

そんなの決まってる。









“ 一切俺を見なかった…… ”









そうこれ。
さっき会ったはずなのに、Aちゃんは完全無視。


そりゃそうだ。元旦那なわけだし。


Aちゃんのことだから
何も知らずに来たんだろう。
あの子しっかりしてるようで抜けてるから。









『 さっきなんか言ってました？ 』



「 いや、べつに。」



『 俺のことは一言も？ないの？？？ 』



「 ないだろ……。」









何を期待してるんだ？
散々苦労かけてきたのに今更だろうが。








『 隣って誰？ 』



「 登坂。」



『 ……だよなー。同じ研修生だし。』



「 百合子さんはなんでAを気に入ったんだ？ 」



『 さぁ〜 ？ 』









さぁ〜？って……お前ね……







そう言おうとした俺の言葉を止めた奴。
隆二の周りはへんな奴が集まる宝庫かもしれん。









『 りゅーちゃん！車準備出来たで！ 』



『 お？けんちゃん遅いから！んじゃ行くか。』



『 ちゃうわ！！お前がへんなとこおるからやろっ！ほな！直己さんまた！！ 』









どよめき立つ企画部の女性陣。
かっこよく決めつけても……





企画部から見えない位置に行くと
ドライバーの健二郎の肩を組み何やら耳打ちし





健二郎の怒号が飛んだ。









『 お前はかっこよくないっ！！アホなだけや！！ 』 っと。









あながち間違いではないな。

見てほしい人は、一切顔をのぞかせてないから。









なんのアピールなんだ？？

隆二が何をしたいのかさっぱりわからん。









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