逃げ道は過酷なもの

帰りたい理由 ページ46

貴女side






『 あれがイマイチか。』



「 ……え？ 」








席に戻ると頬杖した広君は
私を見て一言だけ呟いた。







『 あれが今市隆二？ 』



「 そうですけど…… 」



『 あれのどこがイマイチ？ 』



「 ……はい？？ 」



『 全然イマイチじゃなくね？ 』



「 ……なんの話？ 」



『 ありゃ〜本社じゃモテモテだろうなー。』



「 …………。」









……、、、


人は少し不安に思ってる部分を言われると
その不安は数十倍に膨れ上がるのはなぜだろうか……









『 彼氏？ 』









そりゃ〜あの強面の見た目でも
気配り出来るし、優しいし、
……笑った顔は、可愛いし……



……やっぱりおモテになるんでしょうね……









『 おーい、聞いてんのー？ 』









あーーーっ、、、

今のでさっきの幸せが
なんか遠く薄れていくーー。









『 そんなとこも変わってないな。』









本社なら可愛い子だってここよりも多いはずだし
それに若い子だって多いし……




……若さには勝てないわよ……。









『 昔から考え込むと、周りの声聞こえないもんな。』









……私も本社、、行きたくなったかも……。
ここは寂しすぎるよ…。
みんないないし……









「 私も本社行こうかな…… 」



『 は？ 』



「 どう思う？ 」



『 行くって、、、簡単に、はいわかりました。明日から本社勤務です！って言われると思うか？ 』



「 ……ですよね。」



『 俺いるし、いいじゃん。』



「 うーーん、、 」



『 ……悩むなよ。喜べ。』



「 ……うーーーーん、、、」



『 ちょ、、お前マジで失礼。』



「 ……仕方ない。我慢する。」



『 おいっ。』









頭をコツンと叩かれて痛がるフリをすると
はにかんだ笑顔を見せた広、、登坂さん。








広君は……さすがに
もう呼べないよね。歳だし。
登坂さんって呼ぶように気を付けなきゃ。









『 A、今日暇？ 』



「 なんで？ 」



『 歓迎会してくんねーの？ 』



「 あー、、やるの？ 」



『 やるってやらしー。』



「 頭いっちゃってますね。」



『 おい、俺の扱いひどくない？ 』



「 そんなことないですよー。今日は早く帰りたいので金曜にしましょう。部長も誘っておきますね。」



『 おー。』









はぁ……早く帰りたい……。
なぜかそう思う……。








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