逃げ道は過酷なもの

あっちの方 ページ37

隆二side








『 つまんなーい。』



「 …………。」




『 つまんなーーいっ！！ 』



「 …………。」



『 今市さん！俺つまんない！！ 』









俺の両肩を手で掴み、俺を揺さぶる男。
これがちょーうざい。

健ちゃんよりもうざい。



俺のタイプピングさばきを見て
俺の相棒だと言う奴は
仕事もしないで、俺の肩をさっきから
うざいくらいに揉んだり揺すったりと
俺の仕事の邪魔をする。









「 …………。」



『 つまんないって言ってるんです！聞こえてます！？ 』



「 …………。 」




『 うわっ……ガン無視。』



「 …………。」









健ちゃんならいい加減諦めてくれるのに
相棒は飽きらめる気がないのか、
また俺の身体を今度は左右へと揺らす。







『 こうなったら、肩もみしますね。』



「 …………っ、、、 」



『 お客さん、こってますねー。』



「 ……、……！ 」



『 いや〜最近頑張りすぎなんじゃないですか〜 』



「 …、、…… 」



『 昨日はあっちもどうせお盛んだったんでしょー。』



「 、、、いっ、、、ってーよ！！ 」









あまりの痛みさに
発した俺の声は、このフロア全体に響き渡った。









『 今市さんってあっちの方も凄そうだもんねー。』



「 セクハラ。」



『 男にセクハラしても楽しくないし。』



「 つーか、仕事しなくていいのかよ。」



『 お腹減っちゃって、ご飯の誘いに来たんすよ。』



「 行かない。」



『 そんなに頑張っても今日も残業っすからね。』



「 それでもお前と飯食いたくない。」









俺らが社食に行かない理由。
コイツ、岩田。









岩田が来た瞬間の女達の
奇声は恐ろしい。
耳鳴りがヤバイ。

俺は静かに楽しく飯を食いたい。
見世物とかマジで嫌だ。









『 行きましょーよ。』



「 行かない。」









……今日のコイツは本当にうざい。









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昔話�□�←．

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