お願いします。 ページ17
直己side
『 部長、お願いがあるんすけど。』
俺に手を合わせた今市は
ギュッと閉じた両目の片方だけを開き
俺の様子を伺ってるようだ。
言わなくてもわかっているつもりだ。
『 Aのこと、よろしくってことだろ。』
そういうと頬をポリポリかいて苦笑いを浮かべた。
直人さんからここに来る時に聞いてた。
“ 有能な社員がうちにはいる。”
それがAだ。
営業所の経理を一手に任せられる人材。
今市、山下が営業部と兼任してからも
なんら変わることなく回るのは、Aのおかげだ。
それに……
“ 数年前に本社勤務を勧めたんだがな…… ”
“ 本人も行きたくないって言ったし…… ”
“ 彼氏が頑なに拒んだからな…… ”
あの当時は本社勤務だった俺も
今市、山下の名前は聞いてないがAの名前だけは聞いてた。
彼氏が今市ってことにはびっくりしたがな。
問いただしたこともあった。
“ 彼女の人生を無駄にする気か ” って。スキルアップには本社勤務が1番大事なのに、お前が邪魔してどうするんだってな。
でも上司になって部下たちを見てると
気づく箇所があった。
今市がAに依存してるのではなく
Aが今市に依存してるんだと。
Aは、全体を見回す癖があると気づいた…
それが今市の姿を確認するためだと。
何かトラブルがあるとため息をつき、無意識に今市の方を見るAは、たった数秒でも今市の姿を目に入れると、気持ちを切り替えて作業に移る。
『 直己部長、お願いします……俺ら、、こんな離れんの初めてだから…… 』
「 ……どういう意味だ? 」
『 話せば長いんすよ…… 』
「 ……わかった。」
いや、本当は全然分からん。
でももしお互いが次へと進もうとしているなら
俺は、Aをここで見守ってやろう。
もちろん上司として。
『 ……なんか空気が重い。』
『 そんなことねーよ。ほら帰んぞ。』
……こんなに仲良く帰るのは初めてみるな。
営業所に俺しか残ってないからか…。
『 『 お疲れ様でしたー。』』
2人が出て行ったあと、
手動の引き戸に鍵をかけた。
振り返ると仲良く帰る2人の後ろ姿…
そして俺と同じように見ている変な男。
.
799人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「芸能人」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
tcknt(プロフ) - 更新ありがとうございます♪ヤバいね~隆二君!!テンパってる?!( ̄▽ ̄;)離れてるし臣ちゃんが主人公と同級生と判明したから余計にハラハラだね‥続き待ってまーす♪ (2019年4月16日 17時) (レス) id: e3dd29dde3 (このIDを非表示/違反報告)
tcknt(プロフ) - お帰り~♪って…エ−ッ!?インフル?!Σ( ̄ロ ̄lll)…「陽性」→「妖精」…ウンだいぶ重症だネ…( ̄▽ ̄;)‥飛色さんがインフルよりアレルギーで辛かったのに…私は‥更新されてる−っ♪って…喜んじゃった…飛色さんゴメンね…出来は勿論最高♪でも無理は禁物ですよ~!! (2019年2月10日 1時) (レス) id: e3dd29dde3 (このIDを非表示/違反報告)
飛色(プロフ) - tckntさん» 戻りましたー!更新もしましたー!楽しくなればいいのですが…出来が心配ですじゃ… (2019年2月9日 1時) (レス) id: f5cfda37d1 (このIDを非表示/違反報告)
飛色(プロフ) - みほこさん» 狭き門だから先に諦める…それが私です!でも頑張ってみますー! (2019年2月9日 1時) (レス) id: f5cfda37d1 (このIDを非表示/違反報告)
飛色(プロフ) - さこさん» はい!来週から頑張ります (2019年2月9日 1時) (レス) id: f5cfda37d1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:飛色 | 作成日時:2019年1月13日 22時