Gray Zone３

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隆二side







俺の家に来ても、玄関前で逃げようとするA。



俺に原因があるなら、言ってほしい。

避けるんじゃなくて、伝えてほしい。



Aが悩んでるなら、俺も一緒に悩みたい。









玄関内に入り、掴んだ手の力を緩めると、すぐにAから離された。





Aから手を振り解かれたのは２回目。

１回目は、お見合い相手から奪って来た日。

そして２回目が今日。







『 帰りたい……。』







俯いて、俺に言った……。






「 A、俺、、なんかした？ 」



首を振るだけのA。
エスパーじゃねーから、わかんねーよ…。



両手で頬に触れると、ゆっくりと顔が上がり、涙を溜めた眼。




「 泣くくらいなら、俺に言ってよ。」




俺の手を離そうとするAの手に力が少しだけ入ったのがわかる…。






なにがあった？？

俺の知らないところで何に傷ついてる…？






「 なぁ…、言わなきゃわかんねーよ… 」






頬に触れた手をそのまま首の後ろにまわし、Aの顔を俺の肩に押し込め、抱きしめると抱き慣れた身体が少し細くなった気がする…。



俺の背中のＴシャツを引っ張って、『 離して、、 』って。






離せるわけねーじゃん…。


好きな女が泣いてんのに…。





オミが言った通りなら、俺の昔話を女将さんか親方に聞いたってことか…。






「 女将さん…お母さん、なんか言った？ 」


『 ……… 』






…… 言ったな。
女将さん、おしゃべりだからな〜。




ってことは、泣く原因は、岩田が言ってた通り【 元カノ 】か。







「 昔話しよっか？ 」







そう言って、リビングに連れて来て、ソファに座った俺の上に向き合うように座らせた。嫌だって言ったけど、もう問答無用。





「 お母さんからなんて聞いたかわかんねーけど、 」







元カノとは、結婚まで考えた。

でも相手は、そんな事考えてなくて、そいつの将来に俺は、いなかったわけ。



「 んで、振られた 」

『 ……。』




仕事も辞めた理由は、




「 職場でプロポーズします！って宣言したのに、振られたから恥ずかしくなって逃げた。」


『 ……。』




あん時は、若かったんだよ。




『 …似てるの？ 』


「 何が？ 」


『 わ、私とその、、元カノさん… 』


「 ……は？ 」


『 お母さんが、似てるって… 』








あ、原因……これか。








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