Gray Zone３

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貴女side





『 Aさん、何見よっか？ 』


「 なんだろうね…あ、これとかは？ 」


『 HiGH&LOW THE MOVIE？ 』


「 恋愛映画にする？ 」


『 HiGH&LOWにしよう！ 』





ニカッと笑った岩田くん。




『初デートと言えば、映画でしょ 』って。
昼に会うなんてなかったから、ちょっとだけ嬉しい？……恥ずかしい？

しかも恋人繋ぎで握られた手…




『 チケット買ってくる。』


「 私ポップコーンとか買ってくるね。」


『 は？ダメでしょ？ 』


「 へ？ 」




私より背の高い岩田くんを見上げれば、
握られた手をギュッと握った。




『 手離しちゃダメ。』


「 え？会計出来ないよ？ 」


『 大丈夫。』





チケットカウンターで繋がれていない手をポケットに入れ取り出したお金…





『 ほら大丈夫でしょ』って。





なんか夜の時と全然違うんですけど…
いつもお洒落なお財布を持ってるのに、



「 ポケットの中が、お財布？ 」って聞いたら『 大雑把なもんで 』って。





『 これが本当の俺。』


「 え？ 」


『 Aさんが初めて見てると思うよー 』


「 ……そう、なんだ… 」






夜だと大人な感じでかっこよかったけど、今は子供のようにはしゃいでポップコーンを選んでる岩田くん。


ほぼスーツしか見てなかったもんね。

それが今は、白黒ボーダーのパーカーにジーンズ姿。



初めて、、私が見てるの？
こんな無邪気な岩田くんを？





『 あ、信じてないでしょ？ 』


「 少し？ 」


『 ま、これから信じてもらえるように頑張る。』





映画を観てる時も繋がれた手のせいでちょっとポップコーンが食べづらいから食べてなかったんだけど……、映画中に私の口前に運ばれるポップコーンと……食べ終えた頃にくるジュース、、


ジュースは飲めるんだけど……


口移しで飲ませる岩田くん…



もう映画どころの話じゃないよ……
スクリーンには、コブラとヤマトと琥珀さんのシーンなのに、、私の目の前には岩田くんのドアップ。






『 ………まずい 』


「 ？？？ 」


『 ……したくなった。』


「 え？ 」









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