Gray Zone３

11 ページ11

隆二side




『 似てるの？ 』



いや全然似てない。

似てるとこって言えば、キャリアウーマンのとこだけ？




『 わ、わたし…その人の変わり？ 』




……なんでそうなる！？





「 あのさ…… 」


『 …… 』


「 俺、そこまで器用じゃないよ。Aが好きだから見合いまで潰したのに。元カノの変わり？んなわけあるかよ。」


『 だって、私、プロポーズされてないから…。』


「 ったく…… 」







俺の人生設計は、うまくいかないことばっかりだな。



プロポーズだって、親に会った時から考えてるし。

本当は、親に会う前にプロポーズなんだろうけど、お見合いを潰した手前、先に会った方が今後の為って思ったからだし。

しかも親が知り合いだったから「 俺にください。」発言しちゃったし。後悔はないけど。


指輪だって、ちゃんと準備してる。
明日取りに行く予定だったのに。





まさかAからプロポーズを催促されると思ってなかったな。






Aを膝から下ろし、寝室に隠してた小箱を持ってくると、小箱をガン見したA。




こんな形で渡すつもりなかったんだけどね。
バラ100本くらい準備したかったんだけど。





「 急すぎて、これしか準備できないけど… 」


そう言って膝を床につけた。








「 世界中の誰よりも愛してます。結婚して下さい。 」


『 ……ピアス？ 』


「 今は、ピアスでごめん。明日一緒に取りに行こう？ 』


『 ……明日？ 』


「 ん、指輪ちゃんと準備してるのに。ほら返事は？ 」


『 ……はい。 』


「 まさかAからプロポーズの催促を受けるなんてw 」


『 だ、だって、、私されてないのに、元カノさんにはしてるから… 』


「 はいはい、元カノはもう忘れようねー。もう俺も思い出せないし。」





だって８年も前の話。
あいつよりAの方が好き、愛してる自信だってある。





ピアスでプロポーズって聞いたことねーけど、俺とお揃いの一粒ダイヤモンドのピアス。俺のピアスより一回り小さいピアス。



その箱を大事そうに見つめるA。




うん、やっぱ俺の方がAに惚れてる。


誰にも渡したくないし

誰にも見せたくない…





付き合って数ヶ月で結婚を決めた理由。


見合いを潰したってのもないわけじゃないけど、

俺がAといたら幸せになれるって思うんだ。

だからAも幸せになれる…。





そう思ってもいいよな？








．

12→←10

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す