悪女にハメられた女の子はあの人の妹

５ ページ6

.


『ただいまー…』



誰もいない家にいつものように虚しく響く声。


一人暮らしだから。




「おぉ、おかえり」



『……え、』




いつものように靴を脱いでリビング に入ろうとした時、聞きなれた声が聞こえた。




『っお兄ちゃん！？』



「よ！久しぶりだな」




その声の正体は、お兄ちゃん______青峰大輝。




『え！？なんでいるの？』



「明日から一週間宮城で合宿。

母さんに言ったら、Aの家の鍵貸してくれた」



『…そう。一言連絡くれれば良かったのに』




約３ヶ月ぶりくらいにお兄ちゃんに会ったから、本来なら嬉しいんだけど、今日はいつもの笑顔で喜ぶことは出来なかった。




『お兄ちゃん見ないうちに イケメン になったねー

黄瀬くんもかっこよくなった？？』



「あ？黄瀬？…あぁあいつは、相変わらずモテモテだな」



『そっかー、会いたいなー。

っあ、ちょっと着替えてくるね』




我ながら自然な切り返しだったと思う。


お兄ちゃんといると今日あった事も忘れられると思ったけど、お兄ちゃんがいるからこそ余計に泣きたくなっちゃう。



お兄ちゃんは明日から合宿だし、気持ちよく合宿に行けるようにバレないようにしよ。





コンコン



『…はいー』



「Aお前何があった？」




・・・なぜ分かったし。

６→←４

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す