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チクタクと時計の針が進む音も拾わず、宮治くんの
声だけ拾う私の耳。
ドクンドクンと口から心臓が出そうなほど
胸が騒いでうるさい。
瞬きをしたら目から涙が溢れそうで。
『わ、……私も、好き、』
言葉を必死に震える声で絞り出した。
その瞬間、バサッとした音と大きな温もりに包まれた。
宮治くんに抱きしめられているのだと分かるまで
時間はかからなかった。
治「めっっちゃ嬉しい」
私の目から涙がこぼれる。
宮治くんの口からは少し震えた声が聞こえる。
こんなに幸せでいいのだろうか。
こんな簡単に、恋が報われていいのだろうか。
治「これからも俺がAちゃんを守るし
何かあったらちゃんと言って欲しい」
『うん、』
頷く私の涙を、太くて綺麗な指で拭ってくれた。
全てはあの傘を忘れた雨の日だと思えば、雨と
傘を忘れた自分に感謝しようと思った。
夕日が教室を照らして、ロマンチックだ。
少しつづ近付いてくる唇に、目をつぶれば
チュッと小さな音を立てた。
治「……幸せや」
そういう宮治くんの顔は、見たことないほど
優しい優しい顔で微笑んでいた。
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よっこ - 私治推しで、いつも心がキュンキュンし過ぎて痛いぐらいです。更新楽しみに待っています。頑張ってください! (2018年12月17日 20時) (レス) id: 273bf3e3fa (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 梨菜さん» コメントありがとうございます(^^)私自身が治推しなので書かせてもらってます!笑。喜んでくれたら嬉しいです(/ω\) (2018年12月15日 18時) (レス) id: d8084100e2 (このIDを非表示/違反報告)
梨菜(プロフ) - 初コメ失礼します!治の小説って侑より全然無いんでめっちゃ嬉しいです!これからも更新頑張ってくださーい! (2018年12月15日 18時) (レス) id: b47de58dc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のん | 作成日時:2018年12月15日 7時