俺、” はなまき ” な。【花巻貴大】

１０…花巻サイド ページ11

.





撮ったプリクラを大事そうに握りしめているAちゃん。


遡るほど１０分前ほど。


いざ、プリクラを撮るとなれば、俺の顔はガチガチに緊張で固まる。


プリクラなんて、男バレ３年と撮ったことあるくらい。


女子となんて始めてすぎるから、こうなるなら及川にアドバイス貰っとけばよかったって思う。





『どんなポーズしますか！？』



『ピースしましょ！』



『次はこのポーズ！』






すごく嬉しそうにするAちゃんにつられて、俺の強ばった顔も柔らかくなる。


最後の一枚のとき、機会から ” 抱き合おう ” なんて声が聞こえた。


女子同士はプリクラでこんなことしてるのか…なんて興味よりも、どうすればいい！？冷や汗がつたった。





『あ、…あぁ、じゃあ、ピースしましょう！』





･･･救われた。





これがプリクラの時の出来事で、今はユーホーキャッチャーコーナーに来ている。


相変わらず大事そうにプリクラを握りしめているAちゃんは、何かを見つけたのか走っていった。


それを追いかけると、大きなくまのぬいぐるみ。






「それ、ほしいの？」




『え…？まぁ、可愛いなって』




「じゃあ、今日美味しいシュークリーム食べさせてくれたお礼ってことで」




『え！？』






ユーホーキャッチャーはまぁまぁ得意なほうだから、そのクマのぬいぐるみを５回で取った。






『ええええ！！すごい！！すごいですよ！はなまつ先輩！！』




「はいどーぞ」




『本当にいいんですか…？』




「おう」




『ありがとうございます！！はなまつ先輩！！』







まるで子供のような無邪気な笑顔を俺に見せるもんだから、ドキッと胸が高鳴った。


本当にずるいやつだ

１１…花巻サイド→←９…夢主サイド

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す