世界は嘘で溢れている 【番外編】狂気じみた猫 下巻 【ハイキュー】【悪女主】

57話 安息 ページ24

あの告白から数ヶ月。テレビや新聞、雑誌などでは未だに8年前の事件のことや村咲と宗方の父親の裁判などのことについて持ちきりだった。

また、宗方の会社はこの事件をきっかけに倒産したそうだ。



貴)終わったな・・・全て。

私はテレビを見ながらすぐ後ろでスマホをいじっているテツに言った。

黒)そうだな。



貴)村咲自身の罪はかなり重いし許されるようなものではない。でも、私は村咲自身は宗方梨々香という女にならなければまだまともな人間だったのではないのかと思うんだ。



私は村咲の裁判の様子を解説したニュース番組を見ていた。解説員の話によれば宗方はまた整形をし直して、村咲 霞の顔に戻っていた。宗方 梨々香とは違う。地味な感じのどこにでもいそうな女だった。


黒)確かにそうだな。村咲は宗方梨々香という人物に食われたせいであんな風に狂ったような人物になったようなものだろうな。あの女に出会わなければこいつだって、こんな辛い思いをせずに済んだのにな。

テツは治りかけの痣をぽりぽりと掻きむしりながら時計をちらりと見た。



黒)あと、A。お前時間大丈夫か？もう出た方がいいんじゃないか？

貴)は！！？


時計を見れば約束の時間まであと30分。


貴)やば！テツありがと！！行ってきまーす！

そう言いバッグを持ってバタバタと出て行く、Aの後ろ姿に手を振りながら黒尾はポツリと呟いた。









黒)頑張れよ。A。









もう少しで最終回です！！

58話 その後→←56話 足りなかったもの

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す