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「あの、私忘れ物なんてした覚えは...、」
「静かにしていた方が身のためでござるよ。」
彼の隣を歩きながら言葉を紡ぐが、呆気なくそれは静止される。
静かにしていろ、と言われても状況が理解出来ていない私には無理な話のような気がするのだが。
「あの、お名前だけお聞きしても...？」
「ああ、拙者は...、」
思い出した様にハッとなり彼が名前を言いかけた時、船内が大きく揺れ始めた。
「！？」
急な事に上手くバランスが取れず、後ろに倒れそうになるが、咄嗟に彼の腕が私を抱き寄せ、壁へと凭れ掛かる形となった。
何だかこの体勢、いつかの書物で読んだような気が...確か恋物の......。
「...姉君も、上手くやってくれたようでござるな。」
彼の吐息が耳に掛かり、とても擽ったい。
反射的に顔を横に向けると、そこには丸い舷窓があり、凄いスピードで景色がどんどんと流れていっている。
「え！？」
「大丈夫でござるよ。氷海を超えたらこの揺れも自然と落ち着くでござる。」
「いえ、そうではなく...。」
どうしてこの船は動いているのだろうか？
私は覚えの無い忘れ物を彼と一緒に取りに行くことになって、その間執行官達は私の帰りを待っていて...。
どう考えても船が動くという自体に結び付かない。
「...これは拙者のただの独り善がりかもしれぬが、お主を彼等にどうしても渡したくないと思ったのでござる。...通報したが故、自分勝手も承知の上だが、これだけはどうしても譲れない気がしたのでござるよ。」
大きく揺れる船内に、私と彼の衣擦れの音だけが響き渡る。
賑やかだった外の声も波止場を離れた今はもう、聞こえない。
「拙者、楓原万葉と申す。」
ふんわりと笑った彼は、先程の執行官達と相対していた時とはまるでかけ離れていて。
「お主の名は？」
「A、です。」
けれど朱色の瞳は変わらずに、光を失う事を知らないように綺麗に煌めいていた。
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柚木 京(プロフ) - もしよろしければ、TikTokのアカウント教えていただきたいです！ぜひ動画見させていただきたいです！！ (4月30日 3時) (
レス) id: eff68035a3 (このIDを非表示/違反報告)
名無し17098号(プロフ) - 初コメ失礼します！！ 話の内容も面白いし文章も読みやすいです！！ これからも無理の無い範囲で頑張ってください (4月24日 0時) (レス) id: 45c6c008b2 (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるく(プロフ) - の〜さん（旧もこ）さん» 原神は皆個性があって素敵ですよね🌟オチとかは今のところ考えてなくて皆から(恋愛的に)愛される小説目指してますので頑張ります🥰 (3月17日 20時) (レス) id: 9c0c3ed197 (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん（旧もこ）(プロフ) - 私原神のキャラ全員推しなのと愛され大好物なので嬉しいです！出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。無理ならすみません。更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (3月17日 20時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
狸 - 返信ありがとうございます!!!!どんなにたっても待ちますよ!!!!!! (2月28日 10時) (レス) id: 9a07639c58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いちごみるく | 作成日時：2022年11月23日 21時
