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私がスマホと睨めっこしていたら、じっと感じる視線。
セフニがクッションを抱きしめながらこっちを凝視していた。
「ど、どうしたの？」
SE「…スマホばっかり見てないで構って。」
…あ、そうか。
そうだよね、せっかく一緒に居るのにスマホに夢中になってちゃ失礼だ。
…でも、テミンさんとの事、どうしよう。
「ごめんねセフニ。…あ、セフニも一緒に行けば良いんだ。」
SE「え、何の話？」
テミンさんに、セフニも連れてちゃんとお断りすれば納得してくれるよね？
「お見合い相手のテミンさんに会ってちゃんと断らないと。セフニも来てくれる？」
SE「…もちろん、プロポーズもしたし完璧。」
「ふふ、頼もしい。…ってことで、テミンさんにアポ取らないと。」
セフニには申し訳ないけど、再びスマホに視線を落としてテミンさんの番号をタップした。
SE「…僕が連絡するよ。貸して。」
「あ、セフナ。」
ちょうどコールがかかって、スマホ越しにテミンさんの声が聴こえる。
TM「…ヨボセヨ？イ・テミンです。」
SE「…こんにちは。Aの婚約者のオ・セフンと申します。」
…婚約者、か。
あ、ダメダメ…頬が勝手に緩んじゃう。
……セフニが名乗ってから全然返事がない。
SE「…あの、聞こえてます？」
TM「…こ、婚約者？？」
SE「はい。あなたに取られる前に婚約しました。」
そう言って私の方に笑いかけたセフニ。
わ、かっこいい…じゃなくて、嬉しい。
でもちょっとテミンさんに罪悪感。
TM「や、待ってください。それ本当ですか？Aさんに代わってください。」
セフニはスマホを少し離して、私に視線を送った。
SE「…だって。そのままスピーカーにして話して。」
スマホを受け取って、なるべく平静を装った。
「…テミンさん？Aです。」
TM「Aさん…、彼氏さんと婚約されたって本当ですか…、」
「はい。…出来れば婚約者も連れてちゃんと会ってお話したいんですけど…。」
以前、セフニと喧嘩してたからって軽い気持ちで一緒にランチしちゃったのが申し訳なくて…。
今度こそ、しっかり誠実にお断りしなきゃ、という気持ちで対面で話したかった。
TM「僕、振られたのにAさんと婚約者さんと会うメンタルなんてないですよ。…あーもう、とりあえず泣きます…また連絡します…。」
そう言って電話は切れた。
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作者名：nel_ | 作成日時：2019年12月15日 23時
