【EXO】お得意さま #2 (ページ8)

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SE「…やっぱり、そうなんですね。…すみませんでした、邪魔して。」

違う、違うのセフンさん。

私たちは思い合ってなんかいない。

そう伝えようとしても、オッパの大きな瞳に見つめられると何も言えなくなる。

GS「本当にAは僕がいないとダメだね。」

少し困った声でオッパは言った。

オッパが近付いてくる瞬間がスローモーションのように感じる。

反対に、私から離れていくセフンさん。

まって、行かないで。

GS「ほら、どうしたの？行こう？」

オッパに手を握られて、隣に立たれる。

私がセフンさんにオッパとの事を伝えていれば、セフンさんは私の手を離さなかっただろう。

GS「Aが昨日セフニの家で泊まったのは許すからさ…。Aも、僕のこと許してね。」

手を握って耳元で囁かれれば、嫌でも頷かないと何をされるかわからない。

悲しそうな目で見つめるセフンさんに見つめ返すことしか出来なかった。

GS「…じゃ、帰ろうか。僕達の家に。」

しっかりと隣を歩くオッパに、やっとの思いでついて行く。

ごめんなさい、セフンさん。

本当は今すぐこの手を離してセフンさんに抱き着きたいよ。

…でも、ワガママかも知れないけど今だけは許して欲しい。

ちゃんと、オッパとの事を清算しなきゃ。

じゃないと、素直にセフンさんを愛して受け止められない気がするから。

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Sehun side

僕からAさんの手を離し、それに上書きするように手を握ったギョンスヒョン。

どこか勝気な彼の態度に僕の醜い感情が溢れる。

ヒョンに黙ってついて行くAさんは、追い詰められた表情をしていた。

…きっと、何か事情がある。

この前までは、僕が嫉妬するくらいかわいい笑顔を彼に見せていたのに。

今のAさんは、何かに怯えていて縛られている気がする。

…ここまで気付いているならAさんを助けるべきなのか？

このままだと、Aさんが傷付くんじゃないのか？

僕の横を通り、遠ざかっていくAさん。

後に残ったのはヒョンの香水の香りだけで、まるで最初からAさんなんて居なかったみたいにロビーは静かになった。

…Aさんはそのくらいか弱くて、消えてしまいそうな存在なんだ。

…結局僕は何も出来なかった。

ただ、流れていく状況に何も手を加えることなく保身に走った。

…どこまでも臆病者だ、僕は。

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