【EXO】お得意さま #2 (ページ7)

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でも、その甘ったるくて暖かいセフンさんを堪能するには場所が悪すぎる。

公共の場、それも会社のデスクでいちゃいちゃするなんてどんな時間でもダメだろう。

…違う違う、付き合ってもない男女がこういう事をするのがダメなんだって！

「あ、の…？セフンさん、ここではダメです…。」

私のバカ、ここがダメってことは他の場所…そう、家とかなら良いって事じゃないか。

SE「だって…本当に心配したんですよ？帰ってる途中に襲われたんじゃないかとか、変な男に絡まれたんじゃないかとか…。」

目を潤ませて言うものだから、思わず撫でたくなる衝動に駆られる。

ダメダメ、しっかりして私。

SE「ね、帰りましょう。もうこんな時間ですし。仕事は明日頑張ればいいです。というかいつも頑張りすぎです。」

私の手を取って、反対の手は私のカバンを持ってセフンさんはエレベーターに向かった。

「…そうですね。」

セフンさんの大きい背中を見ていると、こんなにも安心して、愛おしくて、ドキドキする。

エレベーターがロビーに着いたことを知らせると、前を歩いていたセフンさんが突然立ち止まった。

そして私の手をぎゅっと握りしめる。

「セフンさん？どうしたん…ですか…」

思わず言葉が詰まった。

SE「ギョンスヒョン。」

セフンさんの目の前にいるのは、ギョンスオッパ。

大きくて真っ直ぐな瞳、何も言われても動じない唇。

あの日から変わったところなんて、ないはずなのに。

ずっと冷たくて、悲しそうに感じる。

GS「僕のこと警戒してる？…心外だなぁ。」

SE「何の用ですか、ヒョン。」

確かにギョンスオッパには怖い一面もあったけれど、私の中ではまだ"いいオッパ"だった時の記憶が大半を占めてる。

ここで拒否するのは違う？

私は今はどんな行動を起こしたらいい？

GS「…A、迎えに来たよ。遅いから心配した。」

「…オッパ…。」

SE「行きましょうAさん。」

ぎゅっと手を握って私をひっぱるセフンさん。

GS「…セフニってAの何なの？この前は"ただの取引先の担当"って言ってたよね？」

SE「…僕の、好きな人です。」

GS「…ダメじゃん、A。僕が居るのに変な虫に言い寄られてちゃ。」

…頭が真っ白になる。

二人の言葉を受け止められずに、ただ流す事しか出来ない。

いつの間にか、私の手は冷たくなっていた。

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