【EXO】お得意さま #2 (ページ39)

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「よ、よろしくお願い致します…。Aです。」

名乗りもせずに断るのも申し訳ないかなと思ってとりあえず挨拶してみる。

…言うんだ私、ごめんなさいって！

「…すみまTM「Aさん！僕と結婚してください！」

「…え？あの。」

身を乗り出して私の手を掴んでキラキラした目で見つめてくる。

テミンさんの綺麗な顔が間近にあって思わず目を逸らした。

TM「あ！すみません突然でしたよね！僕Aさんの写真を見て一目惚れしちゃって。絶対結婚したいなぁって！」

キラキラした笑顔に甘い声。

紡がれる言葉はまるで少女漫画のセリフみたい。

…でも、私にはセフニがいるの！

…ここで断るのよ、私…。

「すみません、私にはお付き合いしている方が居るんです…。」

よし言った！

ぎゅっと目を瞑ってテミンさんの反応に神経を集中させる。

…あれ、何も言わないな…。

そっと目を開けるとそこには予想外のリアクションをしたテミンさん。

TM「…その方とは結婚しているんですか？」

「えっ…。」

結婚。

セフニと、結婚。

正直考えた事ないと言えば嘘になる。

…だけれど、お互いまだ仕事を大切にしたいから何となく避けていた。

TM「…その反応だとまだ入籍していないんですね。だったらまだ僕にもチャンスはある。」

「へ…？」

なんということだ。

大変な事になった。

この男、失礼だけど本気で言っているんだろうか。

「いやあの、私テミンさんとお付き合いする気は…。」

TM「僕のこと何も知らないのに？彼より絶対いい男ですよ、僕。」

ダメだ、常識が通じないのかなこの人。

確かにテミンさんのことは何も知らないけれど、いきなり話が飛びすぎてついていけないよ…。

「…あの、すみませんが帰ります。本日はお忙しい中ありがとうございました。」

さっさとお礼をして帰ろうとしたけど、テミンさんがしっかり私の腕を掴んでる。

…もう、なんなの。

強引でしつこい男は嫌いだって言いたいけれど言える訳もなく。

TM「…こちらこそありがとうございました。お気をつけてお帰りくださいね。…まずは友達からお願いします。じゃあ、また。」

また、って言葉を強調してにこやかに私の腕を離すテミンさん。

もう会う気は無いけれど、何だかまた会うことになりそうだな…。

わたしは憂鬱な気持ちを押し込めて帰路についた。

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