【EXO】お得意さま #2 (ページ13)

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「…いや、でも兄妹なんて辞めれないですし大丈夫ですって。」

セフンさんの視線が痛い。

この状況をなんとかしようとヘラヘラ笑ってみるけど、そんなことでこの空気を変えれる訳もなく。

SE「…たぶんヒョンは本気ですよ。僕が言うまでもないと思いますけど。」

…そう、だよね。

オッパのことを誰よりもわかってるのは私なのに、それに気付かないフリをしていた。

「…セフンさん、ありがとうございます。話聞いてくれて。」

気付くと、私の膝に乗せた手の甲は涙で濡れていた。

ジュンミョン部長に言われた通りだ。

…案外、誰かに荷物を持ってもらうのも良いかも知れない。

濡れた私の手の甲に重なるセフンさんの手のひら。

こんなにもおっきくて角張ってて、男の人なのに暖かくて優しい。

よく分からないけど、嬉しくてどうしたらいいか分からないな。

SE「…ということは、今Aさんは一人で暮らしてるってことですね。」

「まあ…鍵も返されちゃったし。」

あ、鍵で思い出した。

私のセフンさんに合鍵を返すためにもここに来たんだった。

私はカバンからひよこのキーホルダーがついた愛らしい鍵を取り出した。

「もう帰る場所もあるので返します。ありがとうございました。」

…あれ、セフンさんに差し出しても受け取ろうとしない。

SE「それはAさんが持っててください。…というか、持ってる理由今から作っていいですか？」

…私が、セフンさんの家の鍵を持っていていい理由。

「え？いやでも…。」

一時強まった雨足も、今は清々するくらい晴れてる。

これはもう、逃げられない？

…いや、私は最初から、セフンさんに出会った頃からその真っ直ぐな瞳から逃げられたことなんてない。

あまりにも私のことを見つめるから、ドキドキして心臓がうるさい。

SE「…僕の、彼女になってくれませんか？」

こんなにもかっこよくて、完璧で、私にはもったいないくらい。

でも、少し耳が赤いのが愛おしくて自然に笑みが零れる。

「…ふふっ。」

SE「あの！僕何かおかしいですか！」

「いえ。…私でよければ、よろしくお願いします。…セフナ。」

耳だけ真っ赤だったのに、今度は顔全体がみるみる赤くなっていく。

…どうしようもなく、愛おしくて、大好きだ。

SE「…あーもう、大好きですAさん、…大好き。」

…やっぱりこの年下は抜かりない、策士だ。

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