【EXO】お得意さま (ページ46)

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Sehun side

今にも消えてしまいそうな彼女の肩を支えるのは、他でもないギョンスヒョンだった。

GS「A！」

「おっぱ…ぁ、うぅ、」

急いで迎えに来たらしい彼は、息を切らして僕を睨みつける。

GS「…もう二度とAに関わるな。」

あまりにも低くて冷たい声で発せられた言葉。

「っ、おっぱ、違うのっ。セフンさんは助けてくれて、っ、私が悪いの、」

ぐすぐすと泣きながら言葉を紡いでいる彼女。

SA「…A、誤解されたままだと嫌でしょ？…でも今は時間が必要だよね。私から言っておくから今日はもう帰りなさい。」

複雑そうな顔で、でも優しくAさんを窘めているソアさん。

…僕が拒否されたのには何か事情があるらしい。

そのうちジュンミョン部長や他の社員も集まって来て、なんの騒動かとガヤガヤする店内。

それを制するように、表情ひとつ変えずにギョンスヒョンは言った。

GS「…Aがご迷惑をおかけしました。すみませんが帰らせます。」

震えるAさんを包み隠すように抱きしめて、ギョンスヒョンはお金だけ置いて出て行った。

…当分忘れられそうにない、敵意むき出しのヒョンの顔。

SE「…あの、誤解って何ですか。」

今は事情を知っているらしいソアさんしか頼れない。

SA「あー…、えっと、ちょっとセフンさん来てください。」

そう言って僕を店の外に連れ出そうとした時、ふと視線を感じて振り返る。

…僕に悲しそうな視線を刺したベッキョンさん。

何故かその顔が忘れられない。

外に出てももうAさんとギョンスヒョンの姿はなかった。

静かにゆっくりとソアさんが口を開く。

SA「あの、私とA…と、ついでにベクは高校が一緒だったんです。でもある日の部活帰り、真っ暗な時間にA一人で帰らせちゃって、」

当時の痛みを思い出すかのように、顔を顰めながら慎重に言葉を選んでいく。

SA「…知らない男性に襲われて、それから男性恐怖症になっちゃって。」

…Aさんにそんな過去があったなんて。

SA「あれから時間が経って、会社にはいい人ばかりだから大分克服したと思っていたんだけど…。あの時私とベクはとても後悔して、もうこんな事がないように守ろうって誓ったのに、」

抑えきれずに泣き出してしまったソアさん。

CY「ソア！」

店から出てきたチャニョリヒョンがソアさんの涙を拭った。

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