【EXO】お得意さま (ページ22)

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Sehun side

お得意先のミンソギヒョンの代わりに派遣されてきたAさん。

一目見たときから僕の頭の中は彼女に支配された。

僕とは違い、表情が豊かな彼女はとても魅力的だった。

…その分顔に出るから、すぐに僕のことを怖がっていることが分かった。

そして、彼女の隣にいるベッキョンさん。

その人懐っこそうな笑顔でジョンデヒョンやチャニョリヒョンとも仲良くなっているようだった。

…でも、彼は彼女を見る時に瞳の色が変わる。

恋焦がれているような、恐れているような、秘めている想いを隠しているような瞳になっていた。

もしかしたら僕もそうなっているかも知れない。

そんな彼と彼女が一緒の部屋に泊まるなんて言うから、内心僕は大慌てで。

普段なら絶対しない大胆なことをしてしまった。

…これは、絶対にAさんのせいだ。

初めて会った時だって、Aさんが気になりすぎて会議に集中出来なかったし、忘れ物はするし。

…やっぱり、僕はAさんのせいでおかしくなっている。

A「聞いてます？ベクったら生意気なんれすよ！」

ワインをぐいっと飲み干した彼女は頬がほんのりと赤く、目もとろんとしている。

明らかに、僕が自宅に誘ってからワインのペースが早くなった。

…少しだけ、自分の行動に後悔した。

こんなに可愛い彼女を自宅に連れ込んで何もしない保証はない。

A「ああもう、ベクって本当になんなの！顔は好きなのに～！」

…さっきから、ベッキョンさんの話ばっかり。

それに、顔は好きってどういうことだ？

SE「Aさん、帰りましょう。」

思わず彼女の手をひっぱる。

つまらない嫉妬でこんな行動を取ってしまう自分に、自分でも驚いた。

A「もう帰るんれすか～？今からベク呼びましょうよ～」

ああもう、まったく！

人の気も知らないで、どうしてそんなことが言えるのだろうか。

僕は店員を呼び寄せ支払いを済ませると、彼女を支えて車に向かった。

SE「Aさん、ちゃんと歩いて。もう少しで車だから。」

A「セフニや～！お姉さんがぽっぽしてあげようね～！」

そう言って僕の頭に手を伸ばして顔を近づけてくる。

残念ながら手は届かないみたいだけれど、Aさんの甘い匂いが鼻をくすぐる。

…それに今、僕のことを呼び捨てにした。

…完全に酔いつぶれているとはいえ、忘れたとは言わせませんから。

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