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JD「へえ、ベッキョンさんとは幼馴染なんですね。」
「はい、腐れ縁ってやつですかね…。こっちは嫌なんですけど。」
JD「いや、お二人って仲良いですよね。」
ジョンデさんがおかしいことを言うから、思わず笑ってしまう。
「何言ってるんですか〜、私だって仕事じゃなかったら一緒に居ませんよ！」
JD「そうですか？僕はてっきりお二人がお付き合いしてるのかと…。」
「そうなんです〜、実は付き合ってるんです〜！」
もちろん冗談だ。
だけど、ジョンデさんはそれを汲み取って一緒になって笑ってくれる。
もう涙が出そうなくらいに笑ってしまって、お腹を抑えて居ると、目の前にセフンさんが立っていた。
この人は音もなく現れるからびっくりする。
「んん、すみません…お見苦しい姿をお見せしてしまって…。」
SE「いえ、こちらこそ遅れてしまい申し訳ありません。始めましょう。」
JD「では、僕はこれで。失礼します。」
ジョンデさんによってガチャン、とドアが閉まる。
さっきまでの空気はどこへやら、セフンさんが現れただけで緊張感が張り詰められる。
「では、前回の報告からですね…。」
さっとカバンから資料を取り出そうとした時。
SE「…付き合ってるんですか？」
「へ？」
聞き間違いの、はず。
なのに、思いっきり動揺してしまって資料を床にばらまいてしまう。
「うわぁ、どうしよう！やっちゃった！」
急いで資料を集めようとすると、セフンさんも一緒になって拾ってくれた。
「すみません…、あ、ありがとうございます。」
セフンさんから手渡された資料を受け取ろうとすると、その手を遮られる。
SE「僕の質問に答えてください。…ベッキョンさんと、付き合ってるんですか？」
あまりに、突然だった。
真っ黒の瞳は私をじっと見つめて離してくれない。
少し目にかかった髪が色っぽくて、ドキドキしてしまう。
「ぁ…、えっと…。」
やっと口から出た言葉は、なんの答えにもなっていない雑音。
SE「…すみません。はい、これ。」
セフンさんは資料を私に押し付け、向かいの席に座った。
…何だったんだろう。
何事もなかったかのように話すセフンさん。
やっぱり、何を考えているのかわからない。
…けれど、少しだけセフンさんのことが知りたい、と思ってしまった。
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作者名：nel_ | 作成日時：2019年10月18日 22時
