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ドアの開く音で目が覚めた。



起き上がると、すぐそこのテーブルに朝食を並べて手招きする濱田さんが目に入る。



紫「おはようAちゃん、一緒に食べよか。」



「おはようございます。…ありがとうございます。」



濱田さんは目を細めて笑った。



よかった、優しそうな人だ。



紫「俺は濱田崇裕。一応この7人のまとめ役っていうか、今回のリーダーやね。」



「はぁ、そうなんですか。」



濱田さんの上に立つものの余裕というか、貫禄は感じ取っていた。



今回の、ということは他にも7人で活動している事があるのだろうか。



紫「どう?この生活には慣れた?」



「…いや、慣れません。」



だよなぁ、なんて乾いた笑いをする濱田さん。



紫「でも…、なかなかやるな、Aちゃん。」



部屋を見渡して濱田さんは呟く。



「どういうことですか?」



紫「…ん、こっちの話。」



紫「それより、気に入った男の子はおった?」



いたずらっぽく濱田さんが聞いてきた。



「え…っと、わかんないけど、みなさん優しいです。」



紫「あんまり油断せん方がええで?みんな一癖も二癖もあるからなぁ。」



そう言って濱田さんはコーヒーを口にした。



コーヒーに負けないくらい黒い濱田さんの瞳は、相変わらず闇を移していて感情を読み取れない。



ただ、その未知の黒に惹かれている私も居た。









濱田さんは時々、10分ほどドアの向こうに消えることがあった。



帰ってきた時には、シナモンバニラの甘ったるく苦い香りを身にまとっていた。



「…タバコ、ですか?」



紫「そ。…苦手やろ?」



「…いえ。」



濱田さんは胸ポケットから紫色のパッケージが特徴的な、シガノフ・レインボーを取り出した。



紫「…吸う?」



シガノフ・レインボーには赤、黄、緑の巻紙が巻かれたタバコが入っているらしい。



濱田さんはおもむろに赤色の巻紙が巻かれたタバコを手にした。



火をつけ、ゆっくりと味わう。



吐き出した煙は、行き場を失って消えた。



濱田さんが口にした赤い巻紙は、私の目の前に差し出される。



吸え、ってことだろうか。



恐る恐る口に触れてみると、タバコ独特の苦い匂いとシナモンバニラの甘い匂いが広がる。



でもタバコには慣れていないので、思わず咳をしてしまう。



紫「ふは、ガキには早かったか。」



濱田さんは面白そうに笑い、まだ数本残っている紫色のパッケージを置いて去った。



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ばと担(プロフ) - 「この瞬間だけは忘れさせたる」っていけめんや〜 そのあとヤるっていうのはちょっと嫌やけどw 面白いです!更新頑張ってください! (2019年4月27日 19時) (レス) id: 32431643fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nel_ | 作成日時:2019年4月16日 19時

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