白い部屋。【虹】 (ページ1)

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赤「やっと講義終わったわぁ…、疲れた。」

隣で欠伸をしながら、重岡くんは呟いた。

「まだ次もあるでしょ？」

赤「せやけど、サボろっかなぁ。」

「ダメでしょ。この前単位落としそうって言ってたじゃん。」

重岡くんはあからさまに不機嫌そうな顔をして、席を立つ。

すぐにサボろうとするからほっとけないんだよね。

赤「な、Aもサボろうや！一緒にゲーセン行こ！」

立ち上がったと思ったら、今度は目をキラキラさせてとんでもないことを言い出す。

なんで私まで巻き込まれなきゃいけないの、なんて思っていると、グイグイと重岡くんに腕を引っ張られた。

「は、えっ、ちょっと、引っ張らないでよ！」

赤「まあええやん！お昼奢るからさ！」

さすがにいい歳の男性に引っ張られると力には勝てない訳で。

半ば強引に大学のキャンパスを出ると、駅のホームに向かって歩き出した。

あれからお昼を取ったあと、重岡くんとゲームセンターに向かった。

今頃講義は終わっちゃってるだろうなぁ。

罪悪感と焦燥感に苛まれつつも、ゲームセンターを1周する頃にはそんな事も忘れていた。

赤「あ～、遊び尽くしたわ。」

一息着くと、もう19時を指す時計が目にとまる。

「そろそろ帰らないとね。」

赤「せやけど、もう一箇所寄りたいとこあるから付き合ってくれへん？」

「え…、別にいいけど。」

どこだろう、と思い重岡くんに尋ねてみるも答えてくれなかった。

どんどん歩く重岡くんに着いていくと、辺りは真っ暗になり街灯も少ない場所になっていた。

「ねぇ、まだ歩くの？」

赤「ここら辺やと思うんやけどなぁ…。」

重岡くんがボソリと呟く。

赤「ごめん、ここでちょっと待ってて。」

そう言い残し、重岡くんは裏路地に消えていく。

言われたとおり道端で重岡くんを待っていると、すぐ隣の道路にハイエースが止まった。

こんな何もない所に何の用だろうと思っていると、中から2人の男が降りてきた。

警戒しつつそのハイエースから距離を取ろうとした時、視界が真っ暗になり後ろで手を縛られる。

「っ、なに！？」

状況が理解出来ず、思わず叫ぶ。

すると口も塞がれ、無理やり何者かにさっきのハイエースと思われるものに押し込まれた。

必死に抵抗しても、男3人がかりの力には勝てるはずもない。

ただ、重岡くんの「ごめんな、」という声だけが聴こえた。

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